■クロス円相場は上がりやすい状況にある
次に、市場の反応が昔と違うパターンを示せば、相場構造自体がすでに転換の時期に差し掛かっているかもしれない、といった発想も念頭に置く必要が出てこよう。
実際、いくつもの悪材料が出たにもかかわらず、ユーロ/ドル、英ポンド/ドルの下げは非常に限定的で、昨日は低位から反発している。前々回に英ポンドがいいパラメーターになると指摘したが、英ポンド/ドルを見てみると、週明けに開いた「窓」をその後、埋める値動きを示している。

従って、対円も含め、先月下旬から続いたドルの全面高については、慎重な見方を持ったほうがよいであろう。
もちろん、仮にドル全体が反落しても、従来の構図と逆なので、ユーロ、英ポンド高と同時に円安が続く公算が高く、クロス円相場は弾みやすいだろう。
■「1−2−3の法則」とは?
さて、前回言及した「1−2−3の法則」について、以下、ユーロ/ドルの日足で説明しよう。
「1−2−3の法則」はおもにトレンドの転換、あるいは一時的なブレイクを狙ったトレーディングメソッドだが、仕掛ける条件は3つある。
上の例では、まず
1.前の主要な安値を更新しない、もしくは同水準に留まったこと
2.主要トレンドライン(レジスタンスライン)を突破したこと
3.安値から一時反発した際に形成された途中の高値を越えたこと
「1−2−3の法則」ではこの3つの条件が順番を問わず揃ったら、「買い」で仕掛けてよいとされている。
図示したように、ラインの引き方によって、2、3の条件となる水準は違ってくるので、複数の取引チャンスが生じるのが普通である。
言うまでもないが、同例はベアトレンド(下落相場)における実例で、ブルトレンド(上昇相場)におけるケースでは、この3つの条件が逆になる。
■「1−2−3の法則」でドル/円相場を見ると…
以上のようなケーススタディを経てから、目下のドル/円相場に目を移すと、もはや余計な説明は不要だ。繰り返しになるが、後解釈はセンセイらにお任せし、相場のことは相場に聞け、ということに尽きる。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)