米ドル/円は短期的に買われすぎ。底堅さ維持もしばらくもみ合いか
円安トレンドで、米ドル/円は114.69円まで上昇しました。
(出所:TradingView)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇しており、豪ドル/円は86.25円まで上昇しました。
(出所:TradingView)
ただ上昇スピードが早かったことや、米ドル/円が長期のレジスタンスとなっている114.70円付近まで到達したことなどを受けて、調整の動きとなっています。
(出所:TradingView)
また10月22日(金)に、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が「テーパリング(※)を始める時期が来たが、利上げの時期とは考えていない」と早期の利上げ観測を後退させ、米ドル/円は113.41円まで調整しました。
(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
調整していますが、日本の貿易収支は赤字となっており、原油価格が上昇しているため、赤字がさらに拡大し、実需の買いが出てきやすいことになります。それが米ドル/円を底堅くすると思います。
また、11月3日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、テーパリング開始を示唆する見込みとなっており、この面からも米ドル/円は買い材料となります。
そのため、米ドル/円は買いでいいのだと思いますが、ただIMM(国際通貨先物市場)ポジションは、円売りが約10万枚まで偏ってきています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
また、テクニカル的にも買われ過ぎの状態となっています。
米ドル/円は、ファンダメンタル面からは買いと考えているものの、短期的に買われ過ぎとなっているため、しばらくはもみ合いになるのではないかと思います。
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ECBの利上げは、まだかなり先か。ユーロは弱いが、対米ドルでは強い通貨と見たい
10月28日(木)はECB(欧州中央銀行)理事会があります。
カナダやニュージーランドなどは利上げ方向で、英国も年内の利上げの可能性がありますが、ECBに関しては利上げはまだかなり先になりそうです。
金融政策からは、ユーロは相対的に売り方向となります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
今回も大きな材料は出てこないと思いますが、ユーロ/米ドルは、1.1670ドルのレジスタンスで上値を抑えられており、軟調な推移が続いています。
(出所:TradingView)
ユーロは弱いですが、対米ドルでは動きが出ていないため、強い通貨ペアと考えたいところです。
ユーロ/ニュージーランドドルはターゲット到達で、底売りリスクに注意
ニュージーランドドルは強いため、ユーロ/ニュージーランドドルは軟調に推移するのではないかと思います。
ただ、このコラムの8月時点で、長期的にユーロ/ニュージーランドドルは1.63ニュージーランドドルまで下がるのではないか、としていましたが、そのターゲットに到達しています。
【参考記事】
●NZ中銀は、8月政策会合で利上げの可能性。ニュージーランドドルは、対ユーロで長期的に買いが進む展開になるか
そのため、ここから売るのは底売りになるリスクがあります。
(出所:TradingView)
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IMMポジションで、豪ドルはまだ売りに偏る。ユーロ/豪ドルは戻り売りが良さそう
IMMポジションは、豪ドル売りがまだ偏った状態です。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
そのため、ユーロ/豪ドルの売りでもいいのではないかと考えています。
先週(10月18日~)後半のローソク足は包み足となっており、さらに、22日(金)には再度下を試す動きがありましたが、ヒゲで終わっています。
反発の可能性がある形だと思いますが、トレンドが強いためか10月25日(月)にそれを否定するように陰線となっています。
(出所:TradingView)
売り意欲が強いのかもしれませんが、包み足とヒゲがあるため、戻りを待ってからの売りでいいのではないかと考えています。
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