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太田忠
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?


ドルはどこまで下がるのか? (14)

2008年05月27日(火)19:14公開 (2008年05月27日(火)19:14更新)
ザイFX!編集部

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「ドルはどこまで下がるのか? (13)」からつづく)

 ここで、野村さんが3つに分けて整理してくれた為替の流れをもう1回、掲載しておこう。

 (1)1973年からの米国貿易赤字による長期的なドル安
 (2)2000年以降のユーロ台頭、中国台頭によるドル安と円安
 (3)2007年夏以降のサブプライム問題によるドル全面安


■ドル/円は3月17日の1ドル=95円で当面の底を打ったとみる

 前回までは上記(1)(2)について、野村さんの話を聞いてきた。今回はいよいよ「(3)2007年夏以降のサブプライム問題によるドル全面安」について聞いてみたい。

 「それまではドル安円安だったわけですが、サブプライムショックが起こった昨年夏以降はこれがドル安円高に変化しました。

 低金利の円を売って高金利の通貨を買うという動きがなくなり、今まで売っていた円を回収しようということになった。いわゆる『円キャリートレード』の解消が起こったのです。円が円安→円高と変化してしまったわけだから、ドルは全面安となりました。

 けれど、この流れは3月17日、1ドル=95円台をつけた時に当面終わったんじゃないかと思っています」

 3月17日の急速な円高。あれは相当激しかった。当コーナーで「ドルはどこまで下がるのか?」と題して取材を始めたのも、あの3月17日の印象が強かったことが大きい。

 けれど、野村さんはあの時、ドルは当面の底を打ったとみているのだ。

 「今回はキーとなる日が3つあったと思います。3月17日、4月11日、4月30日です。これで3段ロケットみたいな感じになったんですね。3月17日はアメリカで一番危ない会社、ベア・スターンズをJPモルガン・チェースが買収すると発表した日です。これでサブプライム問題が落ち着くぞという『兆し』が出てきました。

 その前から、中東、中国などのSWF(政府系ファンド)がお金を出すという話は出ていましたよね。さらに一番危ない会社も救済されました。もう、これ以上問題は出ないということで相場が戻り始めたんです。

 日本のバブル崩壊を思い起こし、今回の問題は解決までに10年かかるという人もいますが、日本が10年かかってやったことを、アメリカは半年ぐらいでやり始めてるじゃないですか」

 今のアメリカのサブプライム問題は日本のバブル崩壊のような長期化はしないと野村さんは考えているのである。
■3段ロケットの2段目は素晴らしかったG7の声明

 では、3月17日のベア・スターンズ買収に続く2番目のキー、4月11日には何があったのだろう?

 「サブプライム問題が落ち着く『兆し』が出て、ドルが反発し始めた時に第2の節目、G7が来ました。これが4月11日です。『G7に失望』という声が最初出ていましたが、あんなに素晴らしいG7の声明はないと思いますよ」

 野村さんは今回のG7が素晴らしかった点は2つあるという。1つはサブプライム問題が何よりも最重要だとハッキリ認識されていたこと、もう1つは国際金融システムの安定のために対策を講じるのだが、それにきちんと期限をつけたことだという。

 「G7では貿易赤字とか為替とかアフリカの問題とか、いつも10項目ぐらい、たくさんのテーマがあるんです。でも、今回は全体の7割をサブプライム問題が占めていて、金融システムの安定化が最重要だと声明の一番最初に書いてありました。

 そして、その金融システムの安定化はFSF(金融安定化フォーラム)という組織がやることになるんですが、「100日」「年内」という2つの期限を設けました。その期限内にリスク管理の仕方はこうしようとか、自己資本比率はこうしようといったルールを決めるわけです。そうなれば、もう安心。

G7の声明で期限は普通つけないんですよ。期限をつけたのはものすごく画期的なことなんです。だから、『G7に失望』では全然ない」
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