為替は踊り場な動きの中でクロス円は徐々に円安に
この1週間はいわゆる踊り場に入ってきていますが、それでもクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を見ると徐々に円安に向かっています。
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長期金利も高止まりし、基本的には円安、債券安(利回りは上昇)の流れが続いています。おそらく、こうした傾向は今後も継続するだろうと考えています。さて、その上で、今後の相場展開について考えてみます。
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日銀の利上げ判断が今年最後の注目イベントになる
12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF金利(※)を0.25%引き下げることが確実になってきたことで、今年(2025年)最後の注目は、日銀が12月の金融政策決定会合で利上げを実施するかどうかに集まってくると思います。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
その可能性を探るにあたって、本日(11月27日)の野口日銀審議委員の講演に注目が集まっていました。
野口委員は「物価の上昇メカニズムは徐々に強まっている」と利上げの環境は整ってきているという認識を示す一方、「政策金利の拙速な引き上げ、賃金上昇のモメンタム失わせ、2%目標達成を遠ざけてしまうリスクをはらんでいる」「政策調整慎重に行われるべき」と早期利上げに慎重な姿勢をみせました。結局、ヒントはありませんでした。
来週(12月1日)には、今度は植田日銀総裁の講演が控えています。おそらく、ここが日銀関係者から出てくる発言の最大の注目となってくると思います。
しかし、野口委員の発言内容やこれまでの植田総裁の慎重な発言ぶりを考えると、サプライズは出てこないのではないかと見ています。
その上で、12月18(木)~19日(金)に開催される金融政策決定会合で利上げをするかは正直五分五分ではないかと思います。
個人的には、利上げの環境は整っているため、これ以上の長期金利の上昇や円安を防止するためにも利上げに踏み切る可能性が高いと思っていますが、まだ確信はありません。
仮に日銀の利上げが決定された場合、一時的には円高に向かうとは思います。しかし、その場合においても、追加利上げに対しては慎重な姿勢を示すと思われ、落ち着けば再び円安、債券安の流れが戻ってくると予想しています。

(出所:TradingView)
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米ドル/円は方向感の出ない展開が続くか
今後の1週間は、植田総裁の発言内容に注視しながらも、方向感の出ない踊り場の展開となるというイメージを持っています。米ドル/円の予想レンジは155.50-157.50円とします。

(出所:TradingView)
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