(出所:米国FXCM)
ちなみに、ユーロ/円、英ポンド/円などのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を取引する場合は、経験上、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなど、米ドルストレート通貨ペアのサポートラインやレジスタンスラインを観察したほうが、より確度が高い。
たとえば、英ポンド/円の場合では、英ポンド/米ドルのレジスタンスのブレイクが確認されたと同時に、米ドル/円のサポートも確認されれば、英ポンド/円の上昇は間違いない。
あるいは、英ポンド/米ドルのレジスタンスの突破があったと同時に、米ドル/円もレジスタンスをブレイクしていることがあれば、英ポンド/円の暴騰は必至といった感じだ。
もっとも、これらの通貨ペアはほぼ連動して動く。だから、クロス円相場の値動きを観察することで、米ドルストレート通貨ペアの値動きをより把握できるといった側面もあり、相場全体を見ることが重要だ。
■どうしても自分の相場観に自信があるならば…
ここまで、足元の局面において、相場観よりも相場についていくことが重要であると強調してきた。
だが、それでも、どうしても自分の相場観に自信を持っており、相場の波に大きく乗りたいというのであれば、もう1つ方法がある。すなわち、ポートフォリオに、意識的に相違したポジションを作り、リスクをヘッジしておくことだ。
たとえば、米ドル全面安と信じてやまないなら、経済指標が発表される前にユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルのロングポジションを作り、同時に英ポンド/米ドルのショートポジションも作っておく。
そうすれば、仮に予想どおりに米ドルが全面安となれば、ユーロや豪ドルの上昇分が英ポンドの下落分をカバーし、トータルで利益を得られる計算だ。
半面、米ドル高に転じれば、ユーロや豪ドルの損失を英ポンドのショートポジションの利益で相殺させたり、限定させたりすることができる。ただし、もちろん、ロングポジションとショートポジションの比率によって結果が違ってくることも十分理解していただきたい。
■すべての取引手法に確実なものはない!
ところで、上の例で、ショートするものとして英ポンドを挙げたのは、足元の英ポンドがユーロと豪ドルに対して相対的に、弱気相場にあるためだ。そうでなければ、米ドルの高安とは関係なく、このようなポートフォリオは組めないだろう。
当然のように、ユーロ/英ポンドと豪ドル/英ポンドにおける足元のトレンドが反転すれば、このやり方がリスクヘッジになるのではなく、逆にリスクを拡大させる可能性もある。
この取引手法もすべての取引手法と同様に、確実なものではない。そのことをあらかじめ心得ていただきたい。
「唯一の黄金律とは、いかなる黄金律も存在しないということである」——ジョージ・バーナード・ショー(※)
(2009年9月4日 東京時間15:00記述)
(※編集部注:ジョージ・バーナード・ショーは、おもに19世紀のイギリスで活躍した劇作家)
ちなみに、ユーロ/円、英ポンド/円などのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を取引する場合は、経験上、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなど、米ドルストレート通貨ペアのサポートラインやレジスタンスラインを観察したほうが、より確度が高い。
たとえば、英ポンド/円の場合では、英ポンド/米ドルのレジスタンスのブレイクが確認されたと同時に、米ドル/円のサポートも確認されれば、英ポンド/円の上昇は間違いない。
あるいは、英ポンド/米ドルのレジスタンスの突破があったと同時に、米ドル/円もレジスタンスをブレイクしていることがあれば、英ポンド/円の暴騰は必至といった感じだ。
もっとも、これらの通貨ペアはほぼ連動して動く。だから、クロス円相場の値動きを観察することで、米ドルストレート通貨ペアの値動きをより把握できるといった側面もあり、相場全体を見ることが重要だ。
■どうしても自分の相場観に自信があるならば…
ここまで、足元の局面において、相場観よりも相場についていくことが重要であると強調してきた。
だが、それでも、どうしても自分の相場観に自信を持っており、相場の波に大きく乗りたいというのであれば、もう1つ方法がある。すなわち、ポートフォリオに、意識的に相違したポジションを作り、リスクをヘッジしておくことだ。
たとえば、米ドル全面安と信じてやまないなら、経済指標が発表される前にユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルのロングポジションを作り、同時に英ポンド/米ドルのショートポジションも作っておく。
そうすれば、仮に予想どおりに米ドルが全面安となれば、ユーロや豪ドルの上昇分が英ポンドの下落分をカバーし、トータルで利益を得られる計算だ。
半面、米ドル高に転じれば、ユーロや豪ドルの損失を英ポンドのショートポジションの利益で相殺させたり、限定させたりすることができる。ただし、もちろん、ロングポジションとショートポジションの比率によって結果が違ってくることも十分理解していただきたい。
■すべての取引手法に確実なものはない!
ところで、上の例で、ショートするものとして英ポンドを挙げたのは、足元の英ポンドがユーロと豪ドルに対して相対的に、弱気相場にあるためだ。そうでなければ、米ドルの高安とは関係なく、このようなポートフォリオは組めないだろう。
当然のように、ユーロ/英ポンドと豪ドル/英ポンドにおける足元のトレンドが反転すれば、このやり方がリスクヘッジになるのではなく、逆にリスクを拡大させる可能性もある。
この取引手法もすべての取引手法と同様に、確実なものではない。そのことをあらかじめ心得ていただきたい。
「唯一の黄金律とは、いかなる黄金律も存在しないということである」——ジョージ・バーナード・ショー(※)
(2009年9月4日 東京時間15:00記述)
(※編集部注:ジョージ・バーナード・ショーは、おもに19世紀のイギリスで活躍した劇作家)
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