FOMC、パウエル議長は毎回の会合で利上げを行うことを否定せず。利上げの余地はかなりあるとタカ派発言
1月26日(水)のFOMCは、FF金利(※)は現状維持でしたが、声明文やパウエルFRB議長の会見では、タカ派な内容が多くありました。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
前回(12月)のFOMCでは、FRB(米連邦準備制度理事会)メンバーの年内の利上げ見通しは3回で、議事要旨ではQT(量的引き締め)が議論されたことがわかりました。
今回、パウエル議長は、毎回の会合で利上げを行うことを否定せず、QTに関しても「利上げ後に行う」と発言しました。
さらに「QTの規模は大きい」とし、「前回より早期で速くなる可能性がある」と発言しました。
「利上げの余地はかなりある」とも発言しています。
今回のFOMCでパウエル議長は、毎回の会合で利上げを行うことを否定せず、QTに関しても「利上げ後に行う」ことを発言。タカ派な内容が多くあった (C)Bloomberg/GettyImages
昨年(2021年)までのパウエル議長は、株価の下落を避けるような発言をしていましたが、今年(2022年)は株価の下落よりも、インフレ対策の方を重視しているため、発言もタカ派なものが多くあります。
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パウエル議長の会見を受けて米ドル高。3月FOMCに向けた思惑によるポジションを作るのがよさそう
パウエル議長の会見を受けて、為替市場は米ドル高で推移。リスク回避でもあるため、特に豪ドル/米ドルやニュージーランド/米ドルが軟調に推移しました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米国株は今後も軟調になりやすいと思いますが、ただ金融ショックという動きではないため、戻りも起きやすい動きが想定されます。
大きな方向性としては、3月のFOMCに向けて、これから0.50%の利上げ幅の可能性を織り込んだり、QTの開始時期や規模などの思惑でのリスク回避も起きると思いますので、それに向けたポジションを作るのが良いように思います。
今週は各国金融政策会合、米雇用統計に注目。大きな流れはリスク回避も、ポジション巻き戻しの可能性も
今週(1月31日~)は豪州や英国や欧州の金融政策会合があります。
豪州では、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の政策金利は据え置き予想ですが、量的緩和を終了させ、さらに年内の利上げの可能性も高まっています。
英国の金融政策は、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])による0.25%の利上げが予想されています。
欧州では、ECB(欧州中央銀行)の政策金利は据え置きですが、3月に量的緩和を終了する見通しとなっています。
そして、2月4日(金)は米雇用統計があります。
大きな流れはリスク回避だと考えており、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の戻り売りだとは思います。ただ、今週(1月31日~)は米国以外の金融政策会合が多いため、これまでのリスク回避のポジションが巻き戻される可能性があるのではないかと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
リスク回避のため、円買い、米ドル買いで考えていますが、米雇用統計までは米国での大きな材料がないため、米国株も底堅く推移しやすいのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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米雇用統計後、円高・米ドル高の動きが出てからポジション構築へ。今週は動きを確認する週だと考えるべきか
米雇用統計後、円高もしくは米ドル高に動きが出てからポジションを作ればいいのではないかと思いますので、今週(1月31日~)は基本的に様子見でいいのではないかと思います。
市場参加者の見方も、豪ドルやニュージーランドドルを売って、円や米ドルを買う、との方針が多く、市場予想が偏ってきているときほど、その方向へ推移しないこともあるため、今週(1月31日~)はリスク回避のポジションが巻き戻されることも想定した方がいいのではないかと考えています。
大きな流れはリスク回避だと思いますが、今週(1月31日~)に関しては動きを確認する週だと考えるのがいいのではないかと思います。
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