足元の為替市場はこう着状態になりつつある。
ユーロサイドのソブリンリスク(国家の信用リスク)、英ポンドサイドの政局混迷が懸念されていることに加えて、豪ドルや円に対するインパクトが大きい人民元の切り上げの可能性についてウワサや各種観測も飛び交い、相場全体がトレンドレスの様相となっている。
■強い米国の経済指標発表が続くものの、米ドルは…
米ドルサイドでは、最近発表された経済データは総じて強いもので、それらは米国の景気回復を印象づける内容となっている。
それに加え、バーナンキ議長も含めて、>FRB(連邦準備制度理事会)はなおハト派スタンスを堅持する意向が強いと見られており、米国株式市場はその恩恵を一手に受けている。
4月15日(木)、ダウ指数は一時11153.8ドルまで上昇し、取引時間中の年初来高値を更新して、2008年9月下旬以来の高値にタッチした。
一方、ドルインデックスは一時、80.03レベルまで反落した。週明けからは、問題山積で崩壊の恐れすらささやかれるユーロに対しても、軟調に推移している。
米ドルは、対ユーロで4月15日(木)に大きく切り返したものの、現執筆時点、1.3500ドル以下に押し戻せずにいる。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 1時間足)
これは、米国のファンダメンタルズが改善しているにも関わらず、それが米ドルに波及していないことの表われであり、米ドルの本格的な上昇は難しいと見るべきだ。
米ドル全体の強さは、米ドル自身の力ではなく、ユーロや英ポンドといった通貨の弱さに依存しているにすぎない。
■リスク選好のドル売り/資源国通貨買いは正しくないかも
実際、昨年11月の安値を起点として、ドルインデックスは大幅に切り返しているにも関らず、加ドル、豪ドルなどの資源国通貨に対しては、米ドルの軟調な動きは続いている。
特に、対加ドルでは再びパリティ(1.0000)を割り込み、4月14日(水)には0.9953ドルまで「米ドル安・加ドル高」が進んで、2008年7月下旬以来の安値をつけていた。
これは、米国のファンダメンタルズが改善しているにも関わらず、それが米ドルに波及していないことの表われであり、米ドルの本格的な上昇は難しいと見るべきだ。
米ドル全体の強さは、米ドル自身の力ではなく、ユーロや英ポンドといった通貨の弱さに依存しているにすぎない。
■リスク選好のドル売り/資源国通貨買いは正しくないかも
実際、昨年11月の安値を起点として、ドルインデックスは大幅に切り返しているにも関らず、加ドル、豪ドルなどの資源国通貨に対しては、米ドルの軟調な動きは続いている。
特に、対加ドルでは再びパリティ(1.0000)を割り込み、4月14日(水)には0.9953ドルまで「米ドル安・加ドル高」が進んで、2008年7月下旬以来の安値をつけていた。
(出所:米国FXCM)
もっとも、米国サイドの景気回復感からリスク選好度が向上したことで、資源国通貨や高金利通貨に対する投資意欲が刺激され、リスクテークをして米ドル売り/資源国通貨買いとなることは、必ずしも正しいとは思えない側面がある。
もっとも、米国サイドの景気回復感からリスク選好度が向上したことで、資源国通貨や高金利通貨に対する投資意欲が刺激され、リスクテークをして米ドル売り/資源国通貨買いとなることは、必ずしも正しいとは思えない側面がある。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)