■値動きの構造とボリンジャーバンドを総合的に見るべき
そこで、今度は、2008年7月高値から同年10月までのユーロ/米ドルの下落変動を見てみよう。
ちなみに、リーマン・ショックは2008年9月に発生した!
このチャートをご覧いただいて一目瞭然のように、A−B−Cの3段下げの構造も、下げ途中のボリンジャーバンドとの関係も、B→Cの修正段階が「+2σ」のラインをタッチしてから終えんした構図も、前のページにあった、昨年11月高値からの3段下げの状況とかなり似ている。
このように、値動きの構造とボリンジャーバンドを総合的に見ることによって、相場の変動パターンがより鮮明になり、多くを読み取れることは多いものだ。
■デジャヴなら、1.3485ドル近辺がターゲットか!?
筆者は前のページで、1.3500ドル近辺でユーロ安が一服する可能性が高いとの見方を示した。それはなぜかと言うと、他ならぬ、2008年の3段下げの構図にヒントがあるためだ。
2008年の下げ変動の値幅を計算してみると、C点を起点とした第3段階の下げ幅は、A点からB点までの第1段階の下げ幅の約1.18倍に相当することがわかる。
現在進行中の下げ変動が2008年の値動きの「デジャヴ」であれば、おおむね同じようなリズムで下落トレンドが終了する可能性が高いという発想ができる。
そうすると、昨年11月の高値1.5142ドルから12月安値の1.4215ドルまでの第1段階の下げが927pipsであるから、現在進行中の第3段階の下げがC点の1.4577ドルから同値幅の1.18倍に相当する分だけ下落したとすると、1.3485ドル近辺がターゲットとして浮上する。
■「戻りを待ってから仕掛ける」は当たっていた?
このターゲットを実現できるかどうか、あるいは、その後の値動きが、さらに下落するか、もしくは底を打って反転してくるかは、単なる値幅の計算だけではなく、ボリンジャーバンドのラインとの関係などを総合的に判断することが重要である。
これには、ボリンジャーバンドを8本表示できる「ウルトラチャート」がとても有効だ。
前回のコラムで提示していたユーロ/米ドルとユーロ/円のチャートでの、「戻りを待ってから仕掛ける」といったアドバイスは外していなかったと思っているが、よりはっきりしていたのはユーロ/円である(「『米ドル暴落論』は大ウソだった!ドル高は一時減速も結局はまたドル高へ」を参照)。
改めて、同チャートを添付しておく。
前回の課題も含め、8本のラインのボリンジャーバンドによる値動きの解読は、次回のコラムをお楽しみに!
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