ウクライナ情勢はロシアが武力侵攻する可能性は低そうだが、ゼロではない。相場は乱高下しやすい状況が続きそう
為替市場の材料としては、インフレによるFRB(米連邦準備制度理事会)など中銀の金融政策、そしてウクライナ情勢になります。
まずウクライナ情勢に関しては、十数カ国が自国民へ退避を勧告していますが、2月11日(金)にはロシアがウクライナ侵攻を決意し軍に指示をしたなどの報道があり、リスク回避の動きとなりました。
2月14日(月)もその動きが継続し、反応が大きい豪ドル/円では一時81.55円まで下がりました。
ただロシアのラブロフ外相がプーチン大統領に西側との交渉を続けるように進言したこともあり、反発の動きへ。
(出所:TradingView)
ウクライナ情勢に関しては、すぐに解決できるような内容ではないのですが、ロシアが武力侵攻する可能性は低いと思いつつも、ゼロではないため、相場は乱高下しやすい状況が続きそうです。
特にリスク選好の動きが続いたあとでは、ちょっとしたリスク回避の材料でも反応しやすくなるため、気を付けるべきだと思います。
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日銀が無制限の指値オペ表明。米国や英国が金融正常化に向かう中、日銀は反対方向を向いている
各国の金融政策に関しては、2月10日(木)に日銀が、2018年以来、約3年半ぶりに無制限の指値オペ(※)を行うことを表明しました。
(※編集部注:「無制限の指値オペ」とは、特定の利回りで国債を無制限に買い入れること)
米国や英国などは金融政策正常化に向かっていますが、日銀は反対を向いており、これは円売り材料になります。
リスク回避のときは円高になりますが、それ以外の平穏な相場であれば米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は上昇しやすいことになります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
FRBの金融政策に関しては、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%の利上げ予想があります。
ブラード米セントルイス連銀も、7月1日(金)までに1.00%の利上げを望むことを示しており、第2四半期に資産縮小開始を支持するとも発言しています。
ただ、ハト派のデイリー米サンフランシスコ連銀総裁は、3月の利上げは支持しているものの、その後の利上げはまだ想定していないような内容を示しています。
2月10日(木)に米CPI(消費者物価指数)の発表がありましたが、前年同月比プラス7.50%と40年ぶりの水準まで上昇しており、このインフレ指標から考えると、3月に0.50%の利上げがあるのではないかと思います。
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ユーロ/米ドルは1.1500ドル超えを3度止められる。今週はレンジトレードになるか
為替相場では、ユーロ/米ドルは1月に1.1482ドルまで上昇し、そこからブルトラップとなって1.1121ドルまで下がりました。
本来は下降トレンドが継続していてもいいようなチャートの形状ですが、ただラガルド総裁が年内の利上げを否定しなかったことから反発しました。
【参考記事】
●米ドル/円は3月頃まで底堅く、それ以降は戻り売りの相場になりやすいか。新たな買い材料が出ても、上値は118円が限界(2月8日、バカラ村)
下へのトライがダメだったことから、今度は上をトライする番となっていましたが、上も1.1500ドルを超えることができず、3度も上値が止められたことになります。
(出所:TradingView)
結局1.1100~1.1500ドルでのレンジを往来しているだけですが、今は上を確認したあとなので、次は下をトライする番だと思います。
今週(2月14日~)のレンジとしては、1.1230~1.1370ドルで考えており、この上限での戻り売り、そして1.1200ドル前半での買い戻し、という感じになるように思います。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)