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ザイFX!で振り返る2009年(2)
【FX業界編】

2009年12月28日(月)16:24公開 (2009年12月28日(月)16:24更新)
ザイFX!編集部

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「ザイFX!で振り返る2009年(1) 【為替・経済の動き編】」からつづく)

 2009年を振り返るこのシリーズ。前回の【為替・経済の動き編】に続き、今回は【FX業界編】をお送りしましょう。

 その歴史はほんの10年程度。まだまだ若く、動き続けているのが日本のFX業界。今年もいろいろな動きがありました。
 
■スプレッド競争がまたまた激化

 2008年夏~冬に激しくなったあと、一時、沈静化していたFX業界のスプレッド競争。それが今年、2009年春から、再び激しくなった。

 火付け役となったのはフォレックス・トレード、EMCOM TRADE、DMM.com証券などの新しいFX会社だ。これらの会社は正確にはどれも既存のFX会社が買収され生まれ変わったものだが、サービス内容が以前とは大きく異なっているため、実質的には新しいFX会社が生まれたと言っていいだろう。

 こうした新しくサービスを始めた会社が米ドル/円で1銭未満のスプレッドをこぞって提供したため、他のFX会社にも、これを追うような動きが出てきたのだ。
◆DMM.com証券の米ドル/円スプレッドは通常「0~0.8銭」だが、現在はキャンペーン中でさらに狭く「0~0.5銭」に! 詳しくはこちら→DMM.com証券

 ちなみに米ドル/円スプレッドの狭い順にFX会社を並べたものはザイFX!の以下のコーナーで見られるので、ご参考に!

「FX会社おすすめ比較:取引コストで比べる」

 FX会社のスプレッドは「0銭~」といったような、変動スプレッドのものが従来は多かったが、「0.7銭固定」といった固定スプレッドや、「0~0.8銭」など下限、上限の決まったスプレッドを提示するFX会社が増えてきたのも、今回のスプレッド競争の特徴だろう。

 また、ユーロ/円、英ポンド/円など、米ドル/円以外の通貨ペアにスプレッド競争が広がったのももう一つのポイントだった。

 夏~秋にかけてはネット証券大手のSBI証券楽天証券による、“仁義なき手数料値下げ合戦”がニュースとなって世間の注目を集めたが、FX業界では実はそれよりもっと激しい競争が行われていたのだ。

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■レバレッジ規制の実施が決定

 2009年4月、金融庁がFXのレバレッジを規制する案を発表すると、FX業界関係者、FXファンの間では激しい議論が沸騰した。

 金融庁はパブリックコメントの募集なども行ったが、結局、9月になって、「金融商品取引業等に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」が公布・施行され、レバレッジ規制は正式に実施されることが決定した。

 このレバレッジ規制は顧客保護、業者のリスク管理、過当な投機を抑制するといった観点からなされるものとのこと。

 これにより、FXのレバレッジは、2010年8月に50倍まで、さらに2011年8月に25倍までと段階的に規制されることとなる。

 来年、2010年夏にまず第一弾が行われる、この「レバレッジ規制」がこれからのFX業界を動かす大きなイベントになることは間違いないだろう。

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■FX・証券業界の再編進む

 前述したフォレックス・トレード、EMCOM TRADE、DMM.com証券など、ナロースプレッドを売り物にした新しいFX会社が登場する一方、これも前述したレバレッジ規制発表の影響などがあるのか、FX事業を他社に譲渡したり、会社そのものが吸収合併されたりする事例も目立った。

 上記のEMCOM TRADEなどは、今年になって新登場したばかりというのに、早くもトレイダーズ証券へ吸収合併されている。

 純粋なFX専業会社ではなく、証券会社になるが、ネット証券大手のマネックス証券とオリックス証券の合併は今年後半の非常に大きな話題だった。
◆両社の合併を記念して、マネックス証券では5000円キャッシュバックキャンペーンを実施中。これは見逃せない! 詳しくはこちら→マネックス証券


 そのオリックス証券はマネックス証券との合併話が明らかになる前にジェット証券を合併していたし、かざか証券のオンライントレード事業譲渡を受けていた。

 また、野村證券系のネット証券・ジョインベスト証券は野村證券に合併され、サービス名「野村ジョイ」として再出発している。

 そして、FROM EAST証券はフィリップファイナンシャルスに、ばんせい山丸証券はインヴァスト証券へFX事業を譲渡した。

 会社の名称が変わっていなくても、資本関係やサービス内容が変わった会社もあった。アイディーオー証券外為オンラインが属するISホールディングスの傘下に入ったし、JFXはヒロセ通商の子会社となった。

グローバルに事業展開している欧米の有力FX会社が日本に上陸してきたのも注目される動きだった。
 FOREX.com(フォレックス・ドットコム)の名称でFXサービスを展開する米国のゲインキャピタルはゲインキャピタル・ジャパンという日本法人がサービスを開始したし、デンマークに本拠を置くSAXO BANK A/SもサクソバンクFXという日本法人がサービスを開始した。

 これから本番が始まるレバレッジ規制を前に、来年、2010年もFX業界再編の動きはまだまだ収まらないものと思われる。

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■FX2つめの取引所取引「大証FX」がスタート

 くりっく365に続き、本邦2つめの為替の取引所取引として、7月21日に大証FXがスタートした。大証FXは、株取引と同じような「板」が見られることが大きな特徴。

 大証FXには、現在9つのFX会社・証券会社が参加している。ただ、現状では大証FXでの取引はあまり盛り上がっていないのも事実だ。

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■1000通貨単位で取引できるFX会社が増えた

 FXの取引は1万通貨単位が主流。1000通貨単位で取引できる会社はごく少数派だったが、それが徐々に増えてきたのも今年、2009年の秘かな話題だろう。

マネックスFXFXプライムEMCOM証券MJ(エムジェイ)といった会社が今年から新たに1000通貨単位での取引ができるようになっている。

 1000通貨単位の取引ならリスクが低く、相場が自分の予想と逆に大きく急変したとしても、大きな損失にはなりにくい。FX初心者がトレードするのにはいい環境が整ってきた。

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■携帯用の取引ツールが充実

携帯用のFXトレードツールを各社が充実させてきたのも今年、2009年の一つの特徴だった。

 特に2008年夏に日本で販売が開始された「iPhone」へ対応するFX会社が増えてきたのは注目できる点で、この流れは来年、2010年も続きそうだ。

 「iPhone」用の取引ツールに力を入れているのは、サイバーエージェントFXEMCOM証券フォレックス・トレードあたりだ。
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