ジャクソンホール会議のパウエル議長の講演は、今後もインフレ対応を示唆
先週(8月22日~)の前半は、ドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペアのこと)の多くが膠着していました。
これは、8月25日(木)~27日(土)まで開催されたジャクソンホール会議に注目が集まり、市場参加者は積極的に新規のポジションを建てず、ポジション調整の動きになったためです。
それだけ市場参加者は、ジャクソンホール会議に注目していました。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルは、0.97ドル台の下降チャネル下限を目指す動き。今週のジャクソンホール会議で示される、各国の中長期の経済や金融政策の見通しに注目!(8月23日、バカラ村)
特に8月26日(金)のパウエルFRB議長の講演は、もっとも注目されたイベントでした。
そのパウエルFRB議長の講演は、今後もインフレ対応をすることが示されました。
発言の内容としては、今後も金融引き締め策を継続する必要があり、家計や企業に何らかの痛みをもたらすといったものでした。
そして、歴史は時期尚早な金融緩和を強く戒めるとも発言しました。
パウエルFRB議長はジャクソンホール会議での講演で、今後も金融引き締め策を継続する必要があり、家計や企業に何らかの痛みをもたらすと発言した (C)Bloomberg/Getty Images News
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大きな流れとしての米ドル高は継続しそう。当面は米経済指標の内容に大きく上下に振れることが予想される
目新しい内容はないですが、パウエルFRB議長の講演前までは来年(2023年)の利下げ観測もあったため、タカ派な発言で米国株は下落、為替市場では米ドル高に推移しました。
通常のジャクソンホール会議の内容は、中長期の金融政策などを発表する場になるため、大きな流れとしての米ドル高は継続することになりそうです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
今週(8月29日~)、9月2日(金)は米雇用統計の発表がありますが、ジャクソンホール会議でもパウエルFRB議長は、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での金融政策の利上げ幅はデータ次第と発言しているため、当面は経済指標での内容に大きく上下動することが予想されます。
特に景気を犠牲にしてもインフレ対応することが示されているため、インフレ指標のCPI(消費者物価指数)の結果によって相場は大きく反応することになります。
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短期的にはパリティを挟んだもみ合いだが、ユーロ/米ドルは0.97ドル台をメドに、基本は売り目線
ユーロに関しては、ユーロ圏の要人からタカ派な発言が続いています。
9月のECB(欧州中央銀行)理事会での利上げ幅は0.50%の予想が多数ですが、要人からは0.75%を支持する発言が出ています。
オランダのクノット中銀総裁は「0.75%の利上げを支持。インフレが2%に達するまで毎会合利上げをする可能性」と発言。
オーストリアのホルツ中銀総裁は「0.75%の利上げを議論すべき」と発言しています
米ドル高相場ということもあり、ユーロ/米ドルを売っている人も多いところ、ユーロ圏の要人がタカ派な発言をしているため、ユーロ/米ドルの下げは鈍い状態となっています。
ジャクソンホール会議は中長期の内容になりますが、ユーロ/米ドルも期間の長いチャートでは1.03ドルのレジスタンスラインが機能しており、テクニカル分析の観点からも下がる可能性がある状態が続いています。
短期的にはパリティ(=1.0000ドル)を挟んだもみ合いとなっていますが、ただ下降トレンドは継続しているため、まずは下降チャネルの下限となる0.97ドル台を下値メドに、基本は売り目線だと考えています。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルが下がりにくくなっているため、英ポンド/米ドルの売りでもいいとは考えていますが、ただ米ドル高相場になるためには、やはり相対的にユーロが弱くなる方が米ドルが強くなりやすいように思います。
大きな流れとしての米ドル高は継続だと考えているため、ユーロ/米ドルなども含めて、米ドル買い継続で考えています。
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