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米ドル/円以外の通貨ペアで、米ドルを買う
方向のトレードが良さそう。ユーロは売り
材料が少し減ったものの、方向性はまだ売り

2022年08月16日(火)08:41公開 (2022年08月16日(火)08:41更新)
バカラ村

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7月米CPIは前年同月比プラス8.5%に鈍化。米国のインフレはピークを付けた可能性

 8月10日(水)に発表された7月の米CPI(消費者物価指数)の上昇率は、前年同月比でプラス8.5%と、前回のプラス9.1%から鈍化してきました。

 まだ低いと言えない数字ですが、ピークを付けた可能性があります。

 卸売物価指数も7月は前年同月比でプラス9.8%の上昇と、前回(6月)のプラス11.3%から鈍化しています。

 これらの経済指標の結果を受けて為替は米ドル安となり、米ドル/円では131.73円まで下がりました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 米ドル安となりましたが、ただ8月5日(金)に発表された米雇用統計の結果が良く、インフレも低下しているのであれば、米国経済は強いことになり、この点からは米ドル高になるとも言えます。

 ただ、今はインフレがピークをつけた可能性により米国株が堅調で、この点からは米ドル安要因となるため、米ドル/円以外での米ドル高の動きはもうしばらく時間がかかりそうです。

米ドルVS世界の通貨 日足
米ドルVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 米国株は今は堅調ですが、上昇が続くようであればインフレがまた高まるため、そのときは米長期金利が上昇、そして米国株が下がることになると思います。

 そして為替市場は米ドル高になりますが、ただ円高もある程度は出てくるため、米ドル/円に関しては方向感がなく、上下動を繰り返すだけになりそうです。

 一方で、週足のチャートからはまだ弱い状態が続いていることが確認できるため、何か売り材料が出てくるようであれば、下がるリスクはあると考えています。

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FOMC議事要旨とジャクソンホールの経済シンポジウムで新たなきっかけは出てくるか

 今週(8月15日~)は、17日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の発表があります。

 前回のFOMCでは、今後の金融政策はデータ次第としていたため、明確な方向性が示されていない状態です。

【参考記事】
米ドル/円は、131.50円割れにストップロスの売り注文が溜まりやすそう。しばらくは、140円や150円へ到達するのは難しい(8月2日、バカラ村)

 そのため、FOMC議事要旨で新しいきっかけが出てくる可能性もあります。

 今は「データ次第」のため、経済指標で大きく動く相場が続いていますが、これは当面続くように思います。

 来週(8月22日~)後半に、ジャクソンホールで経済シンポジウムがありますが、ここでも方向性が示されなければ、9月のFOMCまでは経済指標で乱高下する相場が続くことになります。

【参考記事】
為替相場は、米国の経済指標の結果によって方向性が変わる展開。8月10日の米国CPIが、強い場合と弱い場合に注目したい通貨は?(8月9日、バカラ村)
ジャクソンホール会議が行われる建物はジャクソンホール? なぜ、ジャクソンホールは世界中のトレーダーの注目を集めるのか?(2021年8月23日公開)

来週(8月22日~)後半にジャクソンホールで経済シンポジウムが開催される。ここでも方向性が示されなければ、9月FOMCまで経済指標で乱高下する相場が続くか (C) ullstein bild

ジャクソンホールは米国西部、ワイオミング州にある地域の名称。来週(8月22日~)後半に経済シンポジウムが開催されるが、ここでも方向性が示されなければ、9月FOMCまで経済指標で乱高下する相場が続くことになる (C)ullstein bild/Getty Images

 米国株は堅調に推移していますが、まだインフレが収まったとは言えず、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の引き締めも通常のスピードからはかなり速く、中国やユーロ圏など多くの国で景気後退懸念もあるため、リスク回避になるときがくると思います。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:TradingView

 特に市場が楽観的になったときほど、FRB要人からのタカ派発言で市場を落ち着かせにくるように思います。

 そのときには米国株は下がり、為替市場では米ドル高になると思います。

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ユーロはリセッション懸念など売り材料がまだ多い。方向性としては引き続き売りでよさそう

 通貨ユーロの売り材料は豊富ですが、ユーロ圏のインフレに影響していた液化天然ガスは、世界最大の買い手だった中国が転売に回り、価格が低下、そして欧州の在庫能力も73%まで回復しています。

 これはユーロの売り材料が減ったことにもなります。

 ただ、まだリセッション(景気後退)懸念など売る材料があるため、ユーロは引き続き売り方向で考えています

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 ユーロ/米ドルは米CPIの発表で約3週間ほど続いていたレンジを上に抜けましたが、今年(2022年)2月から続いている下降チャネルの上限は突破できず、再度レンジの中に戻ってきています。

 今は米国株が堅調で、そしてユーロの売り材料も減っているため、まだもみ合いが続く可能性がありますが、米ドルは強く、ユーロもまだ買うような材料がないため、方向性としては売りでいいのではないかと考えています。

 現在の株式市場は楽観的な動きとなっており、そうなるとFRB要人からのタカ派発言が出てくると思います。為替市場では米ドル高になると思いますので、基本的には米ドル/円以外での米ドル買いのポジションでいいのではないかと考えています。

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