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田向宏行
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

米ドル一強の相場はまだ続く! 0.75%の米利上げが織り
込まれている9月21日は、米ドル安に推移する可能性が
あるが、その米ドル安の動きは一時的な調整になりそう

2022年09月20日(火)11:30公開 (2022年09月20日(火)11:30更新)
バカラ村

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日銀のレートチェック報道で円高になり、米ドル/円はレンジが継続しているが、大きな米ドル高の流れは終わっていない

 9月12日(月)までは米ドル高の調整の動きとなっていましたが、9月13日(火)に発表された米CPI(消費者物価指数)が強かったことから、米ドル高のトレンドに戻ってきました。

 米ドル/円も米CPIの内容を受けて144.95円付近まで上昇しました。ただ、日銀がレートチェックを行ったとの報道で円高になり、米ドル/円は142.55円まで下落。

141.50~145.00円のレンジが継続していることになります。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 大きな米ドル高の流れは終わっておらず、英ポンド/米ドルは37年ぶりの安値1.1350ドル付近まで下がりました。

英ポンド/米ドル 4時間足
英ポンド/米ドル 4時間足チャート

(出所:TradingView

 ユーロ/米ドルも下降トレンドラインをいったんは上に抜くかと思いましたが、米CPIが強かったことから下降トレンドラインに上値を止められ、下降トレンドが継続していることになります。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

今日発表の日本のCPIがまだ低ければ、日銀会合で緩和策が継続される可能性が高く、円安もまだ継続していきそう

 今週(9月19日~)は、9月21日(水)27時(9月22日(木)3時)からFOMC(米連邦公開市場委員会)があり、9月22日(木)の昼ごろには日銀会合(日銀金融政策決定会合)、16時30分はSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])、20時は英国の金融政策と、各国の金融政策が続きます。

 本日(9月20日)は日本のCPIの発表もあり、市場のテーマがインフレになっているため、重要な経済指標となります。

 また、9月22日(木)の日銀会合の内容にも影響してくることになります。

 急激な円安によって、今週の日銀会合で金融政策が変更されるのではないか、という予想も出てきています。

 ただ、ここで金融引き締めを行うと、コロナからの経済がまだ回復しておらず、今日発表のCPIがまだ低ければ(※)、緩和策を継続していく可能性の方が高いのではないかと思います。

(※編集部注:記事公開時点で、日本のCPIは前年比3.0%と前回の2.6%を上回り、CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)も前年比2.8%と前回の2.4%を上回った)

 円安によって輸入インフレや、悪い円安論などもありますが、円安が経済に影響を及ぼすには時間差があるため、CPIが低い間はまだ緩和策を継続することになると思います。

 日本の貿易収支が単月で過去最大の赤字となったこともあり、これは実需からの円売りが出ることにつながるため、日銀会合で緩和策が現状維持であれば、円安はまだ継続していくと考えた方がいいと思います。

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FOMCでの0.75%の利上げは織り込まれた状態。1.00%の利上げに加速する可能性は低い

 今週、もっとも注目されているのはFOMCになります。

 執筆時点でのCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFEDウォッチでは、1.00%の利上げ確率が18%、0.75%の利上げ確率が82%となっています。

すでに0.75%の利上げは織り込まれた状態となります。

 少数になりますが、1.00%を予想している金融機関もあります。

 ただ、以前もFOMC直前の予想で1.00%があり、そのときは今よりも米CPIは高い数字でしたが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は0.75%の利上げとしました。

 今回は、そのときよりも米CPIが下がってきており、さらに連続して0.75%の利上げを行ったあとになるため、ここで1.00%の利上げに加速するのは可能性として低いと思います。

 そのため、今週のFOMCも0.75%の利上げになるのではないかと思います。

 そして、FF金利(※)の誘導目標を最終的に4%を上回る水準まで引き上げるのではないかと思います。

(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)

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0.75%の利上げが織り込まれている9月21日は、米ドル安に推移する可能性。その動きは一時的な調整で、米ドル高相場はまだ続く

 今年(2022年)のFOMCのときの相場の動きを確認してみると、今年はすでに5回のFOMCがあり、1月26日(水)は据え置き、3月16日(水)は0.25%の利上げ、5月4日(水)は0.50%の利上げ、6月15日(水)は0.75%の利上げ、7月27日(水)は0.75%の利上げを行っています。

 その当日の米ドルの動きは、1月26日(水)の据え置きのときは米ドル高となっていますが、3月16日(水)以降の利上げを行った4回の日は米ドル安となっています。

 6月15日(水)と7月27日(水)は0.75%の利上げを行っていますが、それでもその日は米ドル安となっていました。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 今回は0.75%の利上げが織り込まれており、少数ですが1.00%の利上げ予想もあるため、9月21日(水)も米ドル安に推移する可能性があります。

 ただ、大きな流れとしての米ドル高相場はまだ継続すると考えているため、その米ドル安の動きは一時的な調整ということになりそうです。

 今週は重要イベントが重なり、乱高下することが予想され、その内容を見たいところですが、米ドル一強の相場は続いており、調整したとしても、まだ米ドル高相場は続くのではないかと思います。

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