パウエルFRB議長のハト派的な発言で、米ドル安に推移している
先週(11月28日~)は、11月30日(水)のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演や、12月2日(金)の米雇用統計が注目されていましたが、パウエル議長の講演をきっかけに、米ドル安に推移しています。
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パウエル議長は、利上げペースの減速を示唆し、インフレへの対応だけでなく、経済状況にも対応することを発言しました。
これまでの発言では、景気を減速させてでもインフレに対応することを示唆していたこともあり、この点はハト派だと言え、米ドル/円は133.61円まで下がり、他のドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペア)も米ドル安に推移しました。
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米ドル/中国人民元はチャートからまだ下がる可能性。中国のゼロコロナ政策緩和も、リスク回避の後退から米ドル安に
中国では、ゼロコロナ政策への抗議が中国各地で行われていますが、それに対処するべく、一部の都市でゼロコロナ政策が緩和されています。
それを受けて中国人民元は上昇し、米ドル/中国人民元はヘッドアンドショルダーのネックラインを下回ったことから、まだ下がる可能性がある形です。
(出所:TradingView)
チャートからも米ドル安・中国人民元高が考えられますが、ゼロコロナ政策が緩和されることはリスク回避の後退にもなるため、その点も米ドル安になるように思います。
米ドル/円は想定していたレンジ下限の135円を下抜けたが、一時的な可能性もあり、もう少し動きを見たい
先週のコラムでは、米ドル/円を137円台半ばで買って、139円台で手仕舞いすることを記載しました。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は137円台半ばで買って、139円台で手仕舞う方針。137円を割れれば、いったん切って135円台で買い直し。利上げペース鈍化観測での米ドル安は、いつまでも続かない(11月29日、バカラ村)
実際は11月29日(火)に137.87円までしか下がらず、あと少しで買えなかったですが、底堅かったことから、上昇も139.89円まで一気に上がりました。
そして、その後にパウエル議長の講演で米ドル安に推移し、135円も下抜けています。
(出所:TradingView)
週足からは10円レンジがしばらく続き、レンジ下限は135円を想定していましたが、それを下抜けてきたことになります。
ただ、ファンダメンタル面から考えると、下降トレンドがいつまでも続かないと思うため、下がれば買い方向という考えのままです。
先週の133円台はオーバーシュートで、一時的な下抜けの可能性もありますが、もしそうであれば135円をレンジ下限と考えることもできます。
まだそのように考えるのは時期尚早のため、もう少し動きを見てから、レンジ下限を判断したいと思います。
(出所:TradingView)
日本の個人投資家の買いが多いようであれば、年初の日本がお休みの間に海外勢が下攻めをしてくる可能性
米ドル/円は、基本は下がれば買いですが、ただ年末年始に関しては、少し気を付けるべきかと思います。
日本の個人投資家の買いが多いようであれば、年初の日本がお休みの間に海外勢が下攻めをしてくる可能性も出てきます。
まだ4週間先のため、それまでに状況が変わる可能性もありますが、今と同じ状況であれば、年初の下攻めは気を付けるべきかと思います。
今月(12月)の注目イベントとしては、12月13日(火)の米CPI(消費者物価指数)、12月14日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)、12月15日(木)のスイス、英国、ECB(欧州中央銀行)の金融政策発表があります。
それが終われば、クリスマスモードで動きもなくなってくると思います。
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米ドル買い材料が出てくれば、反転しやすい状況。米ドル/円は133.50円から137.50円のレンジ内での推移が目先は続きそう
11月からの為替市場の動きは米ドル安となっており、カナダドルも弱く、強いのはニュージーランドドルや英ポンドになります。
トレンドとして考えると、米ドル売りのトレードとなりますが、ただ、米ドル/円やユーロ/米ドルなど、日足ではいつ米ドル安が止まっても不思議ではない形になりつつあります。
ドルインディックスは、まだ米ドル安になる可能性は残っているため、トレードするのであれば、米ドル売りのポジションを取ることになりますが、米ドル買い材料が出てくれば、反転しやすい状況になりつつあります。
米ドル/円は目先に関しては、137.50円がレジスタンスとなり、下は133.50円がサポートとして考えていいように思います。
このレンジ内での推移が目先は続くように思います。
(出所:TradingView)
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