米CPIは徐々に低下。今後も下がってくることが予想される
先週(12月12日~)は12月13日(火)に米CPI(消費者物価指数)、そして12月14日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)がありました。
米CPIでは、予想値よりも低い数字が出たことで、米ドル安へ推移。
先月、11月10日(木)の米CPIのときも、予想値よりも低く、米ドル円は大きく下落しましたが、そのときは145円のサポートも下抜けたことで下落が大きくなりました。
今回も弱い数字が出ましたが、137.40円付近から134.60円付近まで、約2.8円の下落でおさまっています。
(出所:TradingView)
今回の米CPIは前年比で7.1%、コア指数で6.0%と、まだ高いインフレ水準ではありますが、徐々に低下してきており、今後も下がってくることが予想されます。
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米利上げサイクルの終了が見え始めた一方、ECB理事会はタカ派的な内容だった
12月14日(水)のFOMCでは、市場予想どおりの0.50%の利上げ、そしてターミナルレートは5.1%へ上方修正されました。
今後もまだ利上げは続きますが、ただ、利上げサイクルの終了は見え始めてきました。
そのため、今後米ドル高に推移することがあったとしても、今年(2022年)前半のような米ドル高トレンドになることは期待できないと思います。
12月15日(木)には各国の金融政策発表があり、こちらも主要国は0.50%の利上げを行いましたが、内容がやや違っています。
英国では6名が0.50%の利上げを支持しましたが、1名が0.75%の利上げ、2名が据え置きを支持しています。
英国のCPIは10.7%と、かなり高い数字ですが、据え置き票があったということは、景気への悪影響を配慮するということであり、ハト派だったことになります。
それに対してECB(欧州中央銀行)理事会では、ラガルド総裁が今後も0.50%の利上げを行う可能性を示唆しており、タカ派な内容でした。
ユーロ/米ドルは、欧米の金融政策会合で高値を更新するも、その水準を維持できず、米ドル高へ推移する可能性が出てきた
12月14日(水)のFOMCでのパウエル議長の発言からは、次回の会合の利上げは0.25%になる可能性もあることが示されていましたが、それに対してラガルド総裁は0.50%を続けることを示唆したため、ユーロ/米ドルは1.0735ドルまで上昇しました。
ただ、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなどは9月下旬から上昇しており、金融政策会合で高値を更新するも、その水準を維持できず、日足のローソク足は陰線で終わっています。
米ドル高へ推移する可能性が出てきた形です。
(出所:TradingView)
ただ、クリスマス前ということもあり、動きは限定的になる可能性もあり、そのためしっかり下がらないかもしれませんが、少なくとも約3か月続いたトレンドは、いったん止まったように思います。
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日銀が事実上の利上げを決定。134~138円のレンジを下抜け、130~134円のレンジに切り替わる可能性も
米ドル/円も下降トレンドが下げ止まっており、すでにクリスマスモードもあってもみ合いとなっており、市場参加者も少ないため今は様子見でもいいと思います。
本日は日銀金融政策会合(日銀会合)があり、黒田総裁は緩和策を継続する発言をすれば円安だと思います。可能性は低いと思いますが、もし引き締めへの可能性をにおわす発言などがあれば、円高に推移することになります。
(※編集部注:本記事公開時点で、日銀金融政策決定会合の結果は発表されており、日銀は長期金利の変動許容幅を0.25%から0.5%に拡大することを決定。大規模金融緩和が修正され、事実上の利上げとなった)
米ドル/円の日足からは134~138円のレンジが続いており、メインシナリオは日銀会合でこのレンジを抜けたとしても、クリスマスモードからトレンドは期待できず、今のもみ合いレンジを中心とした推移になるように思います。
もし上にしっかり抜けるようであれば、レンジが一段上がり138~142円のレンジへ、下に抜けるようであれば130~134円にレンジが切り替わる可能性もあると思います。
(※編集部注:本記事公開時点で、米ドル/円はサプライズ的な日銀の事実上の利上げを受けて急落した。134~138円のレンジを下抜け、130~134円レンジに突入しつつある)
(出所:TradingView)
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