米ドル/円は米金利の急騰とともに上昇するも135円ミドルで上げ渋り
みなさん、こんにちは
今月のコラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円は130円レベルでボトムアウトし、135円前半まであっといういう間に駆け上がってきました。
そして、今週を通して135円ミドルを攻めるも、本稿執筆時点(2月23日23時30分)では135円台前半で上げ渋っています。
(出所:TradingView)
この米ドル/円の伸び悩みは、米ドル/円と相関性の高い米2年債利回りの伸び悩みが影響しています。
米2年債利回りは前回高値を超えられず
下図は米2年債利回りの日足。
(出所:TradingView)
前回の高値は2022年11月4日の4.7999%です。
今月FRB(米連邦準備制度理事会)のターミナルレート(利上げの最終地点)予測が一気に5.30%レベルまで駆け上がったことから考えれば、米2年債利回りが昨年の高値をあっさり抜いてきても不思議ではありません。
しかし、今回の高値は2月21日の4.7333%止まりで、前回高値を超えていません(2月23日11時30分時点)。
この米2年債利回りの上げ渋りが、米ドル/円が135円台前半で上げ渋っている要因となっています。
では、この米2年債利回りは今後も前回の高値を超えられず、米ドル/円は135円ミドルで失速するのでしょうか?
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ターミナルレートが5.25%を維持できれば米ドル/円は137円レベルまで上昇も
まず、マーケットが予測するFRBのターミナルレートを確認してみましょう。
下図は、FF金利先物市場のグラフです。
今年の夏頃には、ターミナルレートが5.30%レベルまで上がることを金利先物市場では織り込んでいます。
このターミナルレート予測が5.25〜5.30%を維持できれば、米2年債利回りが5.00%を超えてくることが想定されますので、米ドル/円は137円レベルまで上値を追う可能性もあります。
そして、それは米2年債利回りが2022年の高値を抜いてくることを意味します。
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日銀の出口戦略予測が米ドル/円の上値を抑える
となると、ここでひとつの疑問が湧いてきます。
米2年債利回りが昨年高値を超えてくるのであれば、相関性の高い米ドル/円は昨年の高値である150円台を回復してもいいのではないか?という疑問です。
ただ本稿執筆時点では、そこまで米ドル/円が上値を拡大すると想定している参加者はほとんどいません。
その要因は「日銀ピボット(政策転換)」。
日銀が新総裁のもと、本格的に出口戦略を模索するとの考え方が拡大しているため、仮に米2年債利回りが昨年高値を抜いたとしても、日銀ピボット予測が米ドル/円の上値を押さえるとの考え方が拡大しているためです。
ターミナルレートが5.30%レベルまで高まっているため、米2年債利回りが5.00%を超えて来る可能性もあり、米ドル/円はもう一段踏み上がる余地がありますが、日銀ピボットが米ドル/円の上値を押さえると考えています。
結果、米2年債利回りの続伸で米ドル/円が137円レベルまで上がったところで米ドル/円は上値が抑えられるのではないかと想定しています。
(出所:TradingView)
今後の米ドル/円の行方を占う上で日銀ピボットと米2年債利回りに注目です。
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