0.50%の大幅利上げ期待が後退。売る材料にも乏しく、ゆっくりと米ドル高に推移しそう
先週(2月13日~)の為替市場は、米ドル高に推移していましたが、ただトレンドが出ているとは言えない程度の動きです。
(出所:TradingView)
最近の米国の経済指標は強いものが多く、インフレも高止まりしていることもあり、FRB(米連邦準備制度理事会)の大幅利上げ観測も出ています。
要人発言も、米クリーブランド連銀のメスター総裁は「前回の会合で0.50%の利上げを決める根拠がある」と発言。
米セントルイス連銀のブラード総裁も0.50%の利上げの可能性を示唆する発言をしており、執筆時点のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFEDウォッチでは、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ確率が、0.25%の利上げが82%、0.50%の利上げが18%となっており、0.50%の大幅利上げの可能性が出てきています。
ただ、金曜日(2月17日)には、米リッチモンド連銀のバーキン総裁が、利上げ幅は0.25%を支持すると発言したことから、大幅利上げ期待が後退し、米ドル高の調整につながっています。
FOMCの利上げは、3月0.25%、5月0.25%、6月0.25%が予想されており、そのほとんどが織り込まれた状態のため、米ドル高のトレンドは期待しにくいと思いますが、売る材料も乏しいため、ゆっくりと米ドル高に推移するのではないかと思います。
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2月24日の植田日銀総裁候補の所信聴取と質疑応答は、無難な発言で終わりそうだが、どちらかというと円安に推移か
今週の注目イベントとしては、2月24日(金)の植田日銀総裁候補の所信聴取と質疑があります。
もし、金融政策を修正する発言が出るようであれば、円高になります。
ただ、まだ就任する前になるため、無難な発言で終始するのではないかと思います。
それでも、市場は思惑で動くため、乱高下すると思いますが、どちらかというと、円安に推移する可能性の方が高いように思います。
米ドル高の可能性を記載したが、米ドル高の動きは思ったより続いていない
前回のコラムでは、米ドル高の可能性を記載しましたが、実際に米ドル高になっているものの、FRBの0.25%の利上げがあと3回というところまで織り込まれていることもあり、米ドル高の動きは思ったよりも続いておらず、ユーロ/米ドルでは1.0612ドル、英ポンド/米ドルでは1.1915ドルで下げ止まりました。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円はまず、134.50円付近までの上昇を期待! 注目の米CPIで反応しやすいのは、高い数字の方。予想値とほぼ変わらければ、米ドル買いのままでいい(2月14日、バカラ村)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米ドル/円に関しては、目先は134.50円付近までの上昇を期待していましたが、それを超えて135.10円まで上昇しています。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは1.06~1.08ドルのもみ合いに。1.08ドル付近まで上昇すれば売りでいい
ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなども、21日移動平均線がレジスタンスになっているため、米ドル買い方向で考えていますが、ただ、ユーロ/米ドルは1.06~1.08ドルのもみ合いになっています。
そのため、1.08ドル付近まで上昇すれば売りでいいように思います。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は132~136円程度のレンジでしばらく推移か。133円付近からの押し目買いで
米ドル/円は128.08円と129.80円の上昇トレンドラインが21日移動平均線と重なっているため、その132円前後はサポートになりやすいように思います。
今週(2月20日~)は乱高下する可能性がありますが、132~136円程度のレンジでしばらく推移するのではないかと思うため、133円付近からの押し目買いで考えています。
(出所:TradingView)
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