アベノミクス初期を彷彿させる日本株買いと為替ヘッジが継続
みなさん、こんにちは。
過去のコラムの通り、今週もアベノミクス初期を彷彿させる日本株買いと為替ヘッジが継続しています。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は日経平均との相関性が顕著に! 円安懸念や円買い介入への期待がないのはなぜ? 日経平均が3万4000円に向けて上昇するなら、米ドル/円は145円へ!
米ドル/円は一時140.93円まで上昇。
まず、最初のターゲットである週足の雲の上限(一目均衡表)が位置する142.00円に向けて、続伸していました。
(出所:TradingView)
去年を振り返れば、米ドル/円が140円を超えて続伸している局面では、円安悪玉論が拡大し、当局から牽制発言が繰り返され、最後は実弾の為替介入といった流れに発展しました。
今年は、日本株高が円安を誘引しており、円安悪玉論はあまりメディアで見かけなかったこともあり、当局が為替を牽制するのは、145円を超えたあたりなのかと想定していました。
しかし、5月30日(火)の夕刻、再び「3者会合(=財務省、金融庁、日銀)」が開催されるとの報道で、米ドル/円が140.93円から急反落しました。
米ドル/円が140円台に定着するには時間がかかりそう
日銀と当局の為替に関するコメントに関しては現状どういうステージにあるのかの「目安」が有名なので、ご紹介しておきます。
【ステージの目安】
レベル1:市場動向を注視
レベル2:過度な変動は好ましくない
レベル3:断固たる措置を取る
レベル4:あらゆる手段を排除しない
レベル5:いつでもやる用意ある
今回はレベル1ですので、まだ介入を気にする局面ではありません。
加えて、当局が懸念しているのは、「為替の水準ではなく、米ドル上昇のスピード」とコメントしているため、米ドルが反落する材料でもありません。
ただ「3者会合(=財務省、金融庁、日銀)」が開催されたのが米ドル/円が140円台に乗せたタイミングだったため、140円台に定着するのは少し時間がかかりそうです。
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クロス円を牽引してきたスイスフラン/円が調整局面に
米ドル/円のトレードで、ていねいに押し目を待つ戦略が効果的だと考えるもう一つの材料が、スイスフラン/円の反落です。
下図は主要通貨の対米ドルの騰落率。
米ドル/円の上昇を俯瞰して見ると、スイスフラン/円や英ポンド/円での円売りが、米ドル/円の上昇を支えてきたともいえます。
今週のスイスフラン/円は一時155.55円まで上昇しましたが、3者会合の報道をきっかけに反落。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
ユーロ/スイスフランも0.9735フランに反発していることもあり、スイスフラン/円は一時、152円中盤まで3円弱下落しています。
スイスフラン/円の週足では、先週(5月22日~)の上昇を包む形で陰線を形成中です。
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米ドル/円はていねいに押し目買いを
一方、5月31日(水)の米国株は反落。
米国株安というリスクオフの環境下、避難通貨の代表通貨であるスイスフランが下落していることから、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は総体的に調整に入る可能性があるため要注意です。
そのため、米ドル/円はクロス円が反落した局面で、ていねいに押し目を拾うといったトレードが有効でしょうか。
アベノミクス初期を彷彿させる日本株買いと為替ヘッジが継続し、米ドル/円の上昇トレンドは変わらず。
懸念は3者会合と、クロス円を牽引してきたスイスフラン/円の調整を横目に、米ドル/円はていねいに押し目買い。
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