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 昨日は米国債の格下げがあり、またADPの雇用調査の結果がすこぶる良かったということで、二重の意味での利回り上昇要因が重なった。確かに長期金利の利回りは上がったとはいうものの、それほども大きく上昇していない。10年ものは4.0％の大台に乗せてきたので次のステージに行ったような格好をしているが、実際のところは通常の変動範囲の許容量である。

 米国株は金利上昇にともなう株売りに見舞われていたが、ニューヨーク時間の後半からはリスク回避のための株売りに変わった。その間、長期債の利回りは低下に転じているのである。このこともあって米金利の上昇は限定的なものになった。

 格下げがあり、雇用改善もありで、ドル相場はふらついた。そもそもドル相場に対する対応の仕方が違う性質のものだからだ。格下げによる米国債の下落はアセットの取り崩しを伴うものなので、明らかにドル売りに属する。

 利回りが上昇しているので、ついうっかりとドルを買ってしまいそうになるが、マーケットで起こってことが違う。それゆえ欧州時間の前半まではドル円は下げた。142円台の前半まで下がったのだ。もしも格下げだけだったら、もうちょっとドル安も進行していただろう。

 そこへ出てきたのがADP指数だった。今度は追加利上げの可能性が高まることでの金利高である。これは明らかにドル買い要因だ。それでドル円も再び143円台に復帰することになり、もうネバーカムバックとなってしまった。私も少々振らされてしまい、ドル円をロングにしたり、ショートにしてみたりとせわしないことをした。利益にもならないくたびれ儲けだった。

日本時間 15時00分

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