日銀の巧妙な発表で日本株、米ドル/円、ユーロ/円は急反発
みなさん、こんにちは。
前回のコラムで取り上げたように、「YCC(イールドカーブコントロール)の実質的撤廃にも関わらず日銀の巧妙な発表」により、日本株、そして米ドル/円、ユーロ/円は急反発しました。
【※関連記事はこちら!】
⇒日銀の見事な実質的YCC撤廃。ユーロ/円は、再び165円を目指して上値を探る展開へ。米ドル/円は当面、135~145円のレンジをなかなかブレイクできない相場環境か
7月28日(金)の日銀の金融政策発表後、一時138.07円まで急落していた米ドル/円は143.55円まであっという間に5.48円も急騰。
(出所:TradingView)
ユーロ/円も151.42円の安値から6円強の爆騰!
(出所:TradingView)
日経平均は一時3万3488円まで急上昇しました。
(出所:TradingView)
金融政策決定会合後の流れとしては日経平均が過去数カ月ダブルトップを形成してレジスタンスとなっている3万4000円を仮にブレイクできれば、米ドル/円、ユーロ/円ともに続伸するという見方が増えてきていました。
ただ、ここでマーケットが懸念していたのが「シーズナリティ」です。
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8月と言えば「円高アノマリー」が有名
8月といえば、金融マーケットでは「円高アノマリー」が有名です。
特に8月15日前後は米国債の利金の円転などで、円高傾向になることが知られています。
8月の円高は、リスクオフでの円高といった側面があり、日本株も米ドル/円同様に8月の下落率が最大といわれています。
そのため、8月初旬は多くの参加者が日銀の金融政策発表後のポジションをいったん利益確定しようかと検討していた8月2日(水)の日本時間未明、「フィッチ、米国債を格下げ 12年ぶり、財政悪化を懸念」という報道が出て、日経平均は急落しました。
(出所:TradingView)
3日(木)午前の日経平均の下げ幅は前日と合わせると1231円という大幅安。
本稿執筆時点の日経平均は3万2250円と、3万4000円の目標からいったん大きく後退しています。
今回の「フィッチ、米国債を格下げ」という報道をきっかけとした日経平均の下落は、日銀の金融政策発表後のポジション調整といった意味もあり、影響が長期化することはないと考えています。
米ドル/円相場も一時142.24円まで急落しましたが、執筆時点で143.65円まで値を戻しています。
(出所:TradingView)
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アノマリーどおりなら、そこがチャンス!
ただ前述のように8月は円高というアノマリーがあります。
過去2年間ほどで、円は避難通貨ではなくなったため、米ドル/円は以前ほど「8月の円高」を気にしなくてもいいと想定していますが、145円以上は介入警戒感もあるので、気になるところ。
視点を変えれば、アノマリーどおり8月に円高相場があるとすれば、そこがチャンスとも言えます。
そのため、スイスフラン/円を筆頭としたクロス円は 高値追いはせず、ていねいに押し目を拾いたいところ。日経平均や米ドル/円も同様です。
(出所:TradingView)
YCCの実質的撤廃にも関わらず日銀の巧妙な発表により日本株、そしてスイスフラン/円を筆頭としたクロス円の上昇トレンドは変わらず。
ただ8月の円高のアノマリーもあり、クロス円は高値追いはせず、ていねいに押し目を待ちたいところです。
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