相場が膠着してくると、どうしても金利差が効いてきて、ジリジリと円安に
この1週間は、ジリジリと円安が進んでいます。
特段新しい材料があるわけではないのですが、相場が膠着してくると、どうしても金利差が効いてくるということが多いので、今回もそういうことが原因ではないかと思われます。
なかなかトレンドを作るような決め手がありませんので、いわゆる「夏枯れ相場」になる可能性が高まってきています。
そうなると、今後も引き続き金利差が効いてくるということになりますので、徐々に円安が進む1週間になると考えています。
(出所:TradingView)
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米ドル/円は直近高値の145円にゆっくりと近づいていく展開か
日銀がYCC(イールドカーブコントロール)の運用を緩やかにしたことは、本来は円高要因なのですが、なぜ円安に向かっているのか。
理屈ではおかしいのですが、今回の変更では、植田総裁は何もしない総裁というレッテルからは逃れられたうえで、この修正をもって、日銀は当面、「金融政策を変えないのではないか」と考える人が多いということ。安心して円売りをしているということではないかと思います。
ただ、今週末は日本がお盆休みで、日本人の取引が細りますので、余計に動きが鈍くなってくるのではないかと考えています。
米ドル/円は、142円台から141円台にかけては、輸入業者などの買い注文がお盆の間、並ぶようですので、下値は堅くなってくると思います。
一方、上値ですが、当面は直近高値の145円ということになります。
実際は、動きはジリジリとしたものになり、過熱感のないまま、ゆっくりと145円に近づいていくという展開になると想定しています。
(出所:TradingView)
ユーロ/円は直近高値の158円を上抜けると、160円が視野に入る
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も同様ですが、ユーロ/円が直近高値の158円に近づいてきています。
ここを上に抜けるとチャート的には新しい展開に入ってきます。160円が視野に入ってくるのではないでしょうか。
(出所:TradingView)
ユーロ/米ドルは当面レンジが続いてしまいそう
また、米ドル相場は膠着。ユーロ/米ドルのチャートを見ると、完全にレンジに入ってきているのがわかります。
ポジションがロングに傾いていることを考えると、どちらかと言えば、下方向に向かう可能性のほうが高いと考えていますが、当面はレンジ相場が続いてしまうと思います。
(出所:TradingView)
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米CPIの結果の影響は1日程度か。メキシコ中銀が利下げを示唆すれば、メキシコペソは急落の可能性
直近の注目材料としては、本日(8月10日)発表される2つの材料があります。
1つ目は、米国のCPI(消費者物価指数)。今回の予想は全体が年率で3.3%、コア指数が4.8%です。
予想より良ければ米ドル高、予想より悪ければ米ドル安に反応すると思いますが、今回の結果で9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の判断が決まるわけではありませんので、結果の影響は1日程度で終わってしまうと思います。
2つ目は、メキシコ中銀の金融政策決定会合です。
今後利下げが視野に入ってきたという観測が広がっていましたので、そうした示唆があるのかが注目されます。
もし示唆があれば、メキシコペソは急落する可能性が高いと思いますので、注意が必要です。
最後にもう一度整理をすると、方向感がなくなってくると金利差が効いてくる。そのため、円はじり安の流れとなる可能性が高い。こういう認識で円売りを中心にやっていきます。
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