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 また中国の不動産市場が低迷しているのが問題になりつつある。債務返済のリスケに絡んだデフォルトがウワサされているのだ。材料のなかった昨日はそれだけに反応してリスク資産は軟調となった。東京時間でも日経先物は500円を超える下げを演じている。そしてアジア通貨売りは日本円に対して強烈に現われて、ドル円はついに145円台の中盤まで円安が進んでしまった。

 そもそも予期していなかったアメリカの好景気と中国の腰折れ。正反対のマーケット変動要因に対して、どちらに反応すべきであろうか。少しアメリカのほうに傾きすぎているように見える。アメリカも日本も貿易の最大相手国は中国になって久しい。それゆえ中国の国内景気に左右されずに済むとも思えない。中国経済の減速を軽く考えてはいけないのである。

 ドル円は直近の為替介入が145円台であった。しかるにそろそろ実弾介入に対する予告や前触れがありそうなものである。またそれを匂わせるだけの口先介入のような動きもでそうだ。いずれにしても145円台を超えた今、ここから150円台までの間が絶対防衛線のように考えられているのかどうか。もしくはスピードは気になるが、150円台であってもそれはたんなる通過点に過ぎないと見ているのか。当局に姿勢が試されるところである。

 政府の補助金も減ってきたこともあって、それでレギュラーガソリンの市中価格が200円を超えてきたのは、あきらかに円安による効果も大きい。それでいて大声で円安の修正を求める動きが聞こえてくるわけでもない。黒田前総裁のいうとおり、国民は多少のインフレには慣れてしまったのか。アメリカだったら過剰に市民が反応してしまうところなのだが。

日本時間 15時00分

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