昨日も経済データが良くないということが、FEDの金融引き締め感を和らげ、それが来年早々にも利下げ開始期待を抱かせることとなった。ADPの雇用指数は予想を下回り、またGDPの改定値も下方修正された。これでいよいよ公式の雇用統計もそんなに伸びは見られないだろうという思惑が強くなり、ドル金利の低下をともなってリスク資産は値をつり上げることとなった。
そうしたリスクテークの流れをうけて、クロス円が上昇した。ユーロ円が強かったため、アジア時間では軟化しそうだったユーロドルまで切り返した。そしてユーロは全面高の形となり、ユーロ円は今年の最高値である159.77まで上昇した。ユーロ円が上がっている過程では、まったく押し目らしい押し目を見せなかったことが、その腰の強さを思い知らされる。
日本株もツラレ高している。日経先物は先週の金曜日には31500円近くまで押し込まれていたのに、そこから1000円以上も切り返している。アメリカの景気減速をそれほど喜んでいいものかどうか。中国では不動産市況の不振に加えて、内需の不足がささやかれているのだ。
その上、原子力問題で日本産品の忌避が出てきている。インバンドで喜んでいた中国人旅行者の増加も、今後はどうなるかわからない。日本経済はアメリカよりも中国に左右される時代になってきているのは、いろいろなデータを見ても明らかなのだが。
日本時間 15時00分
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