神田財務官の「あらゆる選択肢排除せず」というコメントが話題に
みなさん、こんにちは。
9月6日の神田財務官による「こういった動きが続くようであれば、政府としてはあらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していきたい」というコメントが、さまざまな憶測をよんでいます。
例えばクレディ・アグリコル銀行のシニアFXストラテジスト、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、「神田財務官は為替市場への口先介入を強化し、非常に明確な介入警告を発した」と発言しました。
アクティブトレーダー、過去2年で最も円に強気-シティGペイン指数
(出所:Bloomberg)
外銀の、しかもシンガポール支店のストラテジストに、日銀の介入について何がわかるんだという揶揄が聞こえてきそうですが、彼が指摘する米ドル/円のボラティリティ(振れ幅)が大きくなっていることも確か。
しかし、多くの市場参加者の間では、実際に日銀が介入を実施するのは米ドル/円が150円台に入ってからという意見が増えています。
(出所:TradingView)
これはJPモルガンが、そうした内容の記事を出してから、徐々にマーケットのコンセンサスになりつつあるからです。
次にそのJPモルガンのコメントをチェックしてみましょう。
円安は終わらない!介入は155円台までない!
もともとJPモルガンは150円台に入らないと実弾介入は難しいとしていましたが、本日(9月7日)、JPモルガンの佐々木融さんによる「円安は終わらない!」という記事をブルームバーグが出していましたのでご紹介します。
円安まだ終わりではない-為替予想で最も正確だったJPモルガン佐々木氏
(出所:Bloomberg)
佐々木氏によれば、円安が終ったわけではなく、155円になるまで為替介入は起こらない見込み、としています。
(出所:TradingView)
介入が155円台まで入らないのであれば、米ドル/円は147円台ですらロング(買い)にできるという見方もできますが、仮に介入がなくても、米ドル/円は下がる局面もあるため、米ドル/円は152円に向けて、ていねいに押し目買い継続でしょう。
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中国の高成長はもはや当てにできない、慎重さが必要!
一方、当コラムで注目のスイスフラン/円ですが、本稿執筆時点でも165.60円レベルと高値圏で推移。
(出所:TradingView)
その影響を受け、ユーロ/円も高値圏で推移していますが、ユーロが想定以上に失速してきており、ユーロも米ドルに対してじり安となっています。
(出所:TradingView)
ユーロの失速はドイツ経済の後退が大きな影響を与えているようです。
下記は独メルセデス・ベンツグループのオラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)コメント。
中国の高成長もはや当てにできない、慎重さ必要-独メルセデスCEO
(出所:Bloomberg)
同氏は2年前、ミュンヘン自動車ショーが開催された時「今後10年は当社にとっておそらく最大の絶対的な成長機会」と述べ、中国に関してこれ以上ないというほど強気な見方を示していたのが、様変わりしています。
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中国経済の急減速が、ドイツ経済を失速させユーロの下落を誘引!
視点を変えれば、過去2年の間、中国経済が急減速し、今後の見通しが全く違うものに変わってしまったということ。
中国経済の急減速が、独メルセデスをはじめとするドイツ経済を失速させているといえます。
こうした一連の報道で、ユーロ/スイスフランが0.9300フランレベルまで、ユーロ/米ドルは1.0500ドルまで下落するといった当コラムの見通しを変更する必要はありません。
介入警戒感は高まるも、152円に向けて米ドル/円は押し目買い。
中国経済の急減速がドイツ景気の悪化を誘引し、1.0500ドルを目指してユーロ/米ドルは戻り売り、とします。
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