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 週末に日銀総裁のマーケットコメントが報道に出て、それが少なからぬ影響を週明けの市場に与えた。マイナス金利も修正するかもしれないというもので、論理的にはありうる普通のことを言っているだけである。

 マイナス金利を解除するには経済的条件を含めて政治的方面からの圧力や財界への忖度もあり、そう容易にできることではない。それがわかっていながらも、久しぶりに耳にするマイナス金利からの正常化という言葉にマーケットが過敏に反応したというところだろう。

 いちばん先に反応のわかる為替相場で、まずは円高となって現われた。ドル円は1円以上も下落して朝のセッションを迎えた。先週のドル円が今年の最高値近辺で高値引けしていたので、余計に目立つのである。東京午前だけでは146円台のミドルまでだったが、欧州序盤には145円台にも瞬間的に突入している。円債相場も急落して寄りついたが、値幅自体はたいしたことはなかった。

 ドル円は146円台のミドルまで戻してニューヨーククローズを迎えたが、どちらかというと円売り圧力は強いままだったというのが正直な感想だ。マイナス金利解除といってもずっと先の話だし、少なくとも来年の春闘の結果を見てからとか言いそうだ。役人なのだから何もしないで先延ばしにするのは得意技だ。それを冷静に考えると、やはり目先はドルを売り進んでいくわけにもいかないだろう。

 とりあえず今週は金利会合に向けた経済指標を控えているので、様子見姿勢が強くなる。あまり円高方向にバイアスをかけて相場を見ない方がよいだろう。

日本時間 15時00分

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