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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

日銀が年内にもYCCを撤廃!? マーケットの金利上昇は
限定的。米ドル/円は当面、1米ドル=146円~148円
程度を想定したレンジ内で、逆張りを続けるのが有効

2023年09月14日(木)15:25公開 (2023年09月14日(木)15:25更新)
今井雅人

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9月FOMCの政策金利据え置きはほぼ決定。声明文やパウエル
FRB議長の発言からも、方向性を示すような材料はなさそう

 注目されていた米国のCPI(消費者物価指数)ですが、結果はほぼ予想どおりで肩透かしになりました。総合指数は前年比3.6%の予想に対して、結果は3.7%。コア指数は前年比4.3%と、予想どおりの結果でした。

 この結果に対して、市場は反応のしようがなく、相場は小動きとなっています。

米ドル/円 30分足
米ドル/円 30分足チャート

(出所:TradingView

 これで、9月19日(火)~20日(水)に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)での、政策金利の据え置きはほぼ決定しましたし、次の10月31日(火)~11月1日(水)のFOMCの判断は、10月に発表されるもろもろの経済指標の結果に委ねられることになりました。

 9月20日(水)のFOMC声明文や、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言に注目が集まりますが、この指標では、方向性を示すようなコメントは出てこないと思いますので、今回のFOMCは大きな相場変動要因にならないと思います。

植田日銀総裁の発言は極めて当たり前。
週明けの 一時的な円高はマーケットの過剰反応

 ところで、今週(9月11日~)は、9月9日(土)の読売新聞に掲載された植田日銀総裁のインタビュー記事に反応して、一時、円高に振れる局面がありました。

 植田総裁は、「来年(2023年)の賃金を巡って、十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではない」と話しました。また、マイナス金利の解除について、「解除後も物価目標の達成が可能と判断すればやる」とも述べています。

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 年末までという表現と、YCC(イールドカーブ・コントロール)ではなくマイナス金利の解除に触れたことにマーケットは反応し、一時的に円高になったということです。

しかし、冷静になって考えてみれば、これは極めて当たり前のことを言っているにすぎません。

 どちらも可能性について述べているわけですし、金融正常化の条件のようなものを話している中で、マイナス金利の解除に言及するのも特段、違和感はありません。マーケットの早とちりというか、過剰反応であったと思います。実際、すぐに元の水準に戻ってきました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 ですから、こちらも特段、新しい相場の変動要因にはならないと思います。また、欧州各国も、インフレが思ったように沈静化しない中で景気が減速してきているので、金融政策をどう運営したらいいのか、迷っているように見えます。

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当面はレンジトレードに徹するしかない。
米ドル/円は146~148円程度を想定した逆張りが有効に

 こうした状況においては、当然、相場は膠着してしまいます。当面、レンジを想定してトレードをするしかありません

米ドル/円は146~148円程度、ユーロ/円は156~159円程度、英ポンド/円は182~185円程度を想定して、レンジ内で逆張りを続けるのが有効だと思います。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円日足
ユーロ/円日足チャート

(出所:TradingView

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足チャート

(出所:TradingView

日銀が年内にYCCを撤廃する可能性はある! ただし、安定している
長期金利を見る限り、市場への影響は一時的で終わりそう

 さて、ここからは私の想像ですが、日銀はどこか近いうちに、「YCCの撤廃」を考えているのではないかと思っています。

 先日、日銀がYCCの運用を緩和する措置を発表したのは周知のとおりです。この発表でも市場は冷静でした。特に、金利市場の動きは注目に値します。

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 新しい運営方針では、10年物国債の利回り(長期金利)の上限を1%としましたが、変更された以降も実際のマーケットでは、最大で0.7%程度までしか上昇していません。金利上昇圧力が強ければ、すぐに上限の1%に張り付くはずですが、そうなっていないということは、マーケットにはそれほど上昇圧力はないと考えることができます。

日本の長期金利(10年物国債利回り) 週足
日本の長期金利(10年物国債利回り) 週足チャート

(出所:TradingView

 このマーケットの反応を見て、YCC自体を廃止したとしても、長期金利は安定した動きを見せるのではないかと、日銀のメンバーが考えていてもおかしくはありません

 ですから、ひょっとすると年内に、YCCを撤廃するかもしれないと想像しています。ただし、この長期金利の安定度を見る限り、たとえYCCを撤廃したとしても、その影響は一時的なもので終わるのではないかと想定しています。


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