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 パウエル議長の発言は従来のものと変わらず、利下げの議論をするのは時期尚早とした。しかし継続して利上げを続けるのにはリスクを考慮する必要があるとし、市場で語られている利下げの可能性を完全に否定しなかったことで、内容は実にハト派的なものだと解釈された。これとても全内容の一部分をいいとこ取りしたようなものだが、金融引き締めの方向の内容にはマーケットは反応しなかったのは事実だ。

 米ドル金利は短期金利を中心に下げ傾向が強まった。これをベースにドル円も軟化。ドル円は再び146円台まで差し込んだ。同時にユ－ロ円も160円台を割りこんできた。金利低下を好感して米国株は一段高し、今年の高値を超えてきた。

 この状況では何を発言しても利下げに向かって積極的だという部分しか強調されない。それだけマーケットの期待が大きいことがわかる。しかしその織り込もうとしている分が大きければ大きいほど、現実的にそうでなかった場合の反動は大きいものとなろう。しかし目先では利下げで喜ぶ姿しかマーケットでは見たくない状況なので、それに従ってついていくしかない。

 私もしかたなく利下げ見通しが深まる方向にポジションを傾けることにした。つまりドル金利の低下を見込んで、ドル円をショートにしたのである。むろん怖い。しかし金利面からもドル安になるのを見たがっているマーケットも存在するのである。146円台までは持ちきれなかったが、それなりにドルショートは成功した。

 しかしこのドル相場の下落は本物なのかどうかは、今週いっぱいをかけて確かめていかないといけないことだ。ユーロドルがそれほどもドル安で反応していないからだ。

日本時間 15時00分

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