3月米利下げの確率UP。米2年利回りと米30年利回りが「順イールド」に
先週(1月8日~)は米金利の低下が目立ちました。
PCE価格指数をもとに計算すると、米CPI(消費者物価指数)はもっと低い水準になるとの見方もあり、そうした見方も影響したのかもしれません。
FEDウォッチを見ると、3月利下げの確率が80%近くにまで上がっています。
(出所:TradingView)
3月利下げの確率を先物市場で見ると70%前後で推移していて、右往左往しているだけという印象でもありますね。
3月20日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)までに、米雇用統計と米CPIが2回ずつ発表されます。こうした数字で変わっていくのでしょうね。
ただ、米2年債利回りは4.1%台まで低下し、米30年債利回りと逆転。「順イールド」に戻りました。
(出所:TradingView)
順イールドに戻り半年から1年くらいしてリセッションへ
逆イールドはリセッションの予兆とされています。
「順イールドに戻ったから安心」というわけではなく、過去の経験則では、順イールドに戻り半年から1年くらいしてリセッションとなっています。
順イールドに戻ったのは、今はまだ米2年利回りと米30年利回りだけですが、米2年利回りと米10年利回りなども戻っていくようだと、警戒感が高まりそうですね。数カ月単位の話なので、今すぐどうこうという話ではないですが要注意です。
また、米金利につられたのか、日本の2年債利回りも昨年9月以来のマイナス水準まで落ち込んでいます。
(出所:TradingView)
米金利は5、6回の利下げを織り込んでいて、下がりすぎではないかと思っています。
3月利下げですら確定ではないのに、これ以上米金利が下がれば、7回の利下げを織り込んでいくことになる。「本当にそんなに下げるの?」と。
米金利が下げ過ぎならば、反発するとともに米ル高へ戻ることもあり得ますね。
新NISAのフロー、仲値かロンフィクか
僕が注目しているのは新NISAの影響。
先週、1月9日(火)の1日だけで「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」に1000億円の資金が入りました。影響は大きいと思います。
外国人はまだインパクトの大きさをはっきり認識していないようです。
たしかに米金利は低下しましたが、米ドル/円はまだ144円台。底堅いとも言えます。
米ドル/円は「米金利低下vs新NISA」の構図なのかもしれません。
新NISAのフローが仲値で出るのか、ロンドンフィキシングで出るのか、まだ不明確ですが、ゴトー日などは注意する必要があるでしょうね。
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ただ「年初一括組(NISA口座の枠を年初に一括して投入する投資家)」はもう出ましたし、今後インパクトが薄れていくとは考えられませんか?
ニュースなどで話題になったことで「今から始めよう」という人も増えるでしょう。
そんな人は週末に発注することが多いでしょうから、「週末組」のフローが出てくる火曜日や水曜日にも注目です。
為替市場は総じて小動きに
そうすると、米ドル/円は上目線ですか?
とはいえ、147円前後は昨年(2023年)から節目となっていますし、147円を超えても150円までスルスル上がっていくようなイメージもありません。
(出所:TradingView)
通貨インデックスを見ると、年初は円安が目立ったものの流れは続かず、どの通貨もレンジですね。
ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)が底堅くなっているので、ユーロが強いのかなと思いましたが、ユーロ/米ドルは上がりません。
次の動き待ちなのかもしれませんね。
明日からは米決算発表が本格化。新NISAの影響が続くと考えて、米ドル/円の押し目買い継続
今週(1月15日~)のスケジュールを見ると、今日(1月15日)が米国休場。
経済指標は、1月16日(火)に米小売売上高があるくらいで、火曜日から米企業の決算発表が本格化します。
決算に反応して米国株に動きが出るようだと、為替にも波及するかもしれません。
今週の戦略ですが、新NISAの影響が続くと考えて、米ドル/円の押し目買い継続でいいのかなと思います。
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(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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