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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

始まった日本円の急騰、米ドル/円は目先の天井を確認。
円売りポジションは急激に増加! 米ドル安の全貌は見
えず、143.25円を破ると深い押しになりそうだが……

2024年03月12日(火)09:03公開 (2024年03月12日(火)09:03更新)
志摩力男

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YouTube動画「週刊!志摩力男」では、志摩さんがより注目している長期的なテーマをピックアップし動画で解説します。動画を視聴したら、続けて最新コラムをご覧ください。


米ドル/円は下落開始。日銀の金融引き締め、米国の金融緩和を見据えた動きか

 3月金融市場暴落説、米ドル/円下落説があるが…と前回のコラムでは書きました。急落説はあるが、それほど落ちないのではないかと書いた矢先、米ドル/円が下落し始めました。
【※関連記事はこちら!】
3月の暴落説は本当か? 季節性からは、米ドル/円が3月に下落する傾向は確認できないが、火のない所に煙は立たぬ。ウワサされている4つ暴落の原因を検証!(3月4日、志摩力男)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 恥ずかしながらまったく予想外でしたが、円買い相場が始まった以上、その背景を考え、対応しなければなりません。テクニカル的には、149円前後と151円の少し手前ぐらいでもみ合いを続け、149円を割り込んだことで、目先の天井確認となったと思います。

 どうして円高になったのか。

前回のコラムでは、金融市場下落のポイントとなりそうな点を4つあげましたが、シンプルに(3)で指摘した、日銀の金融引き締め、米国の金融緩和が見えてきたことが要因のようです。

 多くのプレーヤーは日銀のマイナス金利解除は4月が本命と考えていました。しかし、このところの高田、中川審議員の発言、マスコミ経由のリーク報道から、急速に3月19日(火)での政策変更が本命視され始めています。

日銀、マイナス金利解除支持に広がり 昨年上回る賃上げ期待=関係筋

出所:ロイター

 一方、パウエルFRB議長は、利下げ開始に必要な確信は「そう遠くない(Fed Is ‘Not Far’ From Confidence Needed to Cut Rates)」と発言しています。そう遠くないというのが5月か、6月か、それとも7月なのかはわかりませんが、遠くないそうです。

利下げ開始に必要な確信「そう遠くない」、FRB議長証言

出所:ロイター

 しかし、先日、ウォラー理事は「何を急いでいるのですか(What’s the Rush?)」と題する講演を行いました。

 ウォラー理事の経済分析は、このところ誰よりも的中しており、次期FRB議長の呼び声も高くなっています(ニック・ティミラオスWSJ記者による)。「急ぐな」と「遠くない」、これは今後も議論を呼びそうです。

 過去のトラックレコードで言えば、パウエル議長の勝率は低い。彼は何度もマーケットをミスリードしてきました。

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IMMポジションも少し円ショートに傾いていた。では、どこまで円高は進むのか?

 また、マーケットのポジショニングも、少し円ショートに傾いていました。

IMM通貨ポジション(日本円)
IMM通貨ポジション(日本円)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
 

 ザイFX!では、IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向をアップデートしています。個人的には、IMMのトラックレコードは悪くないので、円ショートが少々積み上がったからと言って、円の買い戻しが起こるとは思っていません。

 しかし、通常は円売りの建玉と円買いの建玉をネットしたものを見ますが、今回は円売りの建玉の大きさに注目します。

 黒の線で表示されるネットの円売りポジションは直近(2月27日週)もっとも大きくなっていますが、昨年(2024年)6月、及び11月頃とそう変わりません。

 ところが、円売りポジション約18.4万枚(2月27日)は、昨年(2024年)のどの局面より大幅に積み上がっています。1カ月で10万枚ぐらい増加しており、これは急激でした。

 新NISAスタートで日本の個人が円売りする、内田副総裁講演から日本の金融政策が正常化されても、利上げのペースは極めてゆっくりであり、事実上のゼロ金利がずっと続くとの判断から、海外勢も円売りを短期間で積み上げたのでしょう。

 中長期的に、いずれ円売りになるとは思います。しかし、日銀のマイナス金利解除が目前に迫り、米国の利下げも「遠くない」状況で、円ショートポジションが積み上がっているのであれば、いったん調整相場があってもおかしくないだろう、ということでしょう。

 ではどこまで円高になるのでしょうか? これをテクニカルで判断するのは難しいです。

 直近の安値は昨年(2023年)12月28日140.25円で、高値は2月13日150.88円です。半値戻しで145.60円、61.8%戻しで144.36円。200日移動平均線は現状146.19円。昨年(2023年)安値127.21円と今年(2024年)安値140.25円をつないだトレンドラインは143.25円に来ます。ここを破ると、深い押しになりそうです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 とはいえ、日銀のマイナス金利解除を織り込むことがメインの動きであるならば、3月19日(火)の結果が予想の範囲内(マイナス金利を解除し、ゼロ金利へ)であれば、米ドル/円は切り返すのではないかなと考えています。

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日銀金融政策決定会合(3月19日)で米ドル/円は底入れとなるか

 先日の米議会証言では、予想外にパウエル議長が少しハト派的でしたが、3月20日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、各参加者が提出するドット・チャート(ドット・プロット)は意外にもタカ派的になるかもしれません。

 前回(12月)のFOMCでは、ドット・チャートは2024年3回の利下げを予想していましたが、今回はすでに3月で、2024年も残り9カ月です。その意味では2024年の利下げ回数が2回になる可能性もあります。パウエル議長はハト派的でも、他のFOMC参加者がハト派的とは限りません。

 よって、個人的なメインシナリオとしては、3月19日(火)の日銀金融政策決定会合で米ドル/円は目先の底入れかもしれない……と思っています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

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実体経済の要請に応じて米国が金融緩和すれば、バブル的な様相になる可能性もあるか

 しかし、まだ私自身、今回の米ドル安の全貌が見えているとは思っていません。

 まず何より、金(ゴールド)価格が上昇していることが最大の懸念材料です。ビットコイン等仮想通貨も上昇しています(これは、ETF承認が大きいとは思いますが)。

NY金先物 日足
NY金先物 日足

(出所:TradingView

 金価格の上昇は、おそらく中国や他の国々が金購入を拡大していることが要因とは思われます。ウクライナ戦争の際に、ロシアの外貨準備が凍結されたことで、米ドルが事実上リザーブにならないということが明確になったための措置でしょう。

 米国は米ドルを、世界の決済システムを武器化したことで、自らの足を撃ってしまいました。しかも、ロシアの資産をウクライナ支援に使おうとしていますが、これは窃盗です。
【※関連記事はこちら!】
プーチン露大統領が語った米国の没落と、避けがたい米ドルの凋落とは? 米ドル/円は時間の経過で151円を抜けやすくなるが、ポジション調整の可能性には注意(2月19日、志摩力男)

 もうひとつ気になるのは、米金利が高い状態でも米株式市場が高騰し続けていることです。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:TradingView

 これは、まもなく金融緩和がスタートすることを織り込んでいるのかもしれませんが、(金や仮想通貨を含め)金融市場を抑えるためには金融引き締めが必要な一方、実体経済はどう見ても金融緩和を必要としています。この矛盾点をどのように解決すべきなのでしょうか、私にはわかりません。

実体経済の要請に応じて、おそらく金融緩和がなされるのでしょうが、それを見て株価・金・仮想通貨はさらに上昇し、バブル的な様相になる可能性があります。

 2000年問題で引き締めできず、ドットコム・バブルを助長してしまった、グリーンスパン議長時代のFRB(米連邦準備制度理事会)に状況を重ねてしまいます。

 ドットコム・バブルの後、米国は長い長い金融緩和の時代に入りました。今回はどうなるのでしょうか。


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