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 今週に入って米国の株高が続き、それに伴って安全資産である米国債の需要が鈍化してきている。そのため長期金利の上昇は徐々にではあるが、顕著なものとなってきた。そして昨日は２年債と５年債の同時入札が予定されていたので、それが債券市場に荷もたれ感を醸し出していた。ダブル入札になっても実質は変わらないはずなのに、それだけ中長期債の利回りに敏感にならざるをえない株価のレベルだということだろう。

 入札結果は双方ともに不調だった。それによって債券価格は下落。利回りは上昇した。ドル相場も堅調となり、ドル円は157円台に乗せてきた。ユーロドルが小動きのため、すべてがユーロ円に窮される。ユーロ円は170円台の後半までたどり着いて、なおも高値模索をしている。ただユーロ円の高値への達成感はまだ出ていない。ユーロ円の目標はドル円が160円台に突入した先月末につけた171.60である。しかしこれとても通過点でしかないような気がする。

 一方で円債の行方も話題性を高めてきている。１％の大台を超えてからは小幅ながらも長期金利は着実に上がってきている。これは植田総裁の利上げに関する姿勢が前向きだと捉えられているからだろう。年初に見られた「どうせ日銀は金融政策をドラスティックにいじれないだろう」という見込みに反して、YCCの終了やマイナス金利の解除など、結構なことをやっているのだ。

 これでは本当に利上げまで踏み込んでしまうかもしれない。利上げがあっても25ベーシスポイントが２回だけ、短期金利を0.5％に持っていくのが関の山だろうと見ている関係者が多いと思うが、意外にも2.5％くらいまで連続利上げをする可能性も否定しきれなくなってきた。円安による物価情勢が許せなくなれば、植田総裁は敢行するかもしれない。そのバロメーターとなるのは、貿易赤字の長期化が挙げられる。

日本時間 15時45分

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