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太田忠
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円は159円台への定着を避けるのが市場の
「暗黙の了解」か!? 円高は本物! 米ドルの強弱を
問わず、ユーロ/円は下落トレンド継続とみる

2026年10月16日(金)17:37公開 (2026年10月16日(金)17:37更新)
陳満咲杜

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米ドル/円は頭が重く、159円~160円台半ばがメインレジスタンスゾーンに

 米ドル/円は、頭が重い。

 一昨日(2026年10月14日)CPI(米消費者物価指数)のリリースを受け、米長期金利が急騰したのに伴い、いったん米ドル全面高となった。しかしその後、米ハイテク・金融株の急落で金利が低下し、米ドル全体も一転して売られてきた。

ドルインデックス 4時間足
ドルインデックス 4時間足チャート

(出所:TradingView)

 昨日(10月15日)、PPI(米生産者物価指数)のデータも出たが、一昨日(10月14日)に比べ、インパクトは限定的だった。

 米ドル/円は、いったん159円の節目に迫ったものの、結局、同節目を突破できず、日足では「スパイクハイ」の陰線で大引けし、レジスタンスゾーンの存在を証明した。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView)

 繰り返し指摘してきたように、159~160円台半ばはメインレジスタンスゾーンであり、早期にそれよりも上に定着できない限り、円安の再開はない、という従来の見方は変わらない。

円は主要外貨のうち、もっとも売られにくい存在に!
ユーロ/円のベアトレンド加速はこれからとみる

 もっとも、ドルインデックスは一昨日(10月14日)いったん103の節目に迫った。

 米ドル全面高があって、ユーロ/米ドルの急落が目立ち、ユーロ/円におけるユーロ安・円高の基調を強めた。

 すでに指摘していたように、ドルインデックスの2026年年初来高値の更新があったものの、米ドル/円は年初来高値(約164円)にほど遠い位置にあり、円の視点では、米ドル全面高の市況になり切れていない。それはほかならぬ、円は買われていたからで、主要外貨のうち、円は一転してもっとも売られにくい存在となったわけだ。

 ユーロ/円では、明らかに178~179円台がレジスタンスとなり、早期に回復するか、それ以上の定着なしでは下落トレンドの継続が有力視されるだろう。

ユーロ/円 日足(10月15日作成)
ユーロ/円 日足チャート(10月15日作成)

(出所:TradingView)

 もっとも、構造上の観点からの頭打ちやトレンドの転換は確認済みなので、安値再更新やベア(下落)トレンドの加速は、むしろこれからだ。

ユーロ/米ドルの下げ止まりがあっても、ユーロ/円の下値志向は変わらないとみる

 もっとも、インターバンク市場におけるユーロ/円の動向は重要だ。

 というのも、ユーロは米ドルに次ぐ主要通貨であり、ユーロ/円はクロス円の中でも直接取引が行われている代表的な通貨ペアだからだ。だからこそ、今一度ユーロ/円の動向を点検しておく必要がある。

 ユーロ/円の週足を見ればわかるように、典型的な「三尊天井」の成立、また下放れを果たしたので、長期トレンドがすでに転換されたとことが示唆されている。

 目先、下げ一服があっても、さらなる下値余地の拡大が規定路線なので、フランス国債騒動がもたらしたユーロ安は、結局、円高のトレンドを後追う材料にすぎないことを悟るべきだ。

ユーロ/円 週足(10月14日作成)
ユーロ/円 週足チャート(10月14日作成)

(出所:TradingView)

 ゆえに、ユーロ/円におけるユーロ安・円高の進行は、単にユーロ安の問題として帰結しない。円高の要素を看過すれば、これからの市況についていけない可能性がある。

 なにしろ、ドルインデックスの上昇がすでに一服する可能性があるから、ユーロ/米ドルの下げ止まりがあっても、ユーロ/円の下値志向は変わらない、という可能性が大きい。

 なぜなら、米ドル全体の上昇一服があっても、円高の傾向が変わらなければ、結局、米ドル/円主導の市況になりやすい。換言すれば、米ドル/円は頭が重いので、米ドル全体の反落があれば、円は米ドルに対して買われやすいから、ユーロ/米ドルの大幅上昇が見られない場合、ユーロ/円の一段落がむしろ自然な成り行きだとみる。

 そして、フランス国債の問題を抱えているだけに、米ドル全体の軟調があってもユーロが大きく買われるのは想定しにくい。したがって、米ドル全体の強弱を問わず、ユーロ/円の下値志向が維持されるのではないかと思うわけだ。

米ドル/円は、159円前後で再び頭打ちになる可能性が高い

 言うまでもないが、大前提として米ドル/円の頭が重いという状況が検証されること、また頭が重いからこそ、これから反落しやすいことは重要だ。検証するにあたり、下の週足チャートをご覧いただきたい。

 現時点で26週移動平均線は159円の節目前後に位置し、目先、米ドルの頭を見事に押さえ込んでいることが示されている。

米ドル/円 週足(10月14日作成)
米ドル/円 週足チャート(10月14日作成)

 9月初頭や9月24日(木)の高値も事実上同線のレジスタンスを確認した形だったことから考えて、米ドル/円は、再度、頭打ちになる公算が大きいと思う。

 何しろ、ヘッジファンドなど投機筋の多くは、大まかに損益分岐点として、26週MA(移動平均線)を目安にしているようだ。

 目先、同線は159円台で推移しているが、それは、米ドル/円はそれ以上に定着できないからでもある。なぜなら、日米当局連携で円安を阻止してきたので、159円を大きく超える米ドル高・円安の値動きを許せないはずであるからだ。

 投機筋の多くは米当局の思惑に沿った形で動くとも言われるから、159円以上の定着を回避するのが目下市場における「暗黙の了解」ではないかと推測できる。日米金利差縮小など米ドル安/円高が広がりやすい局面において、そもそも円を買いやすかったこともあって、これからも円高が主導権を握ることになるかとみる。

円高は本物、円は主要外貨のうち「最強」であることを認識すべき

 前述のように、米ドル全面高のなか、主要外貨のうち、円のみ比較的に堅調なのは、CFTC(米商品先物取引委員会統計)において、円買いポジションは縮小してきたものの、なお買い越しという事実が裏付けとなる。

 それは、実に異例だと言える。

 なぜなら、円以外の主要通貨、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルは、先週(10月5日~)の時点のCFTC統計においてすべて対米ドルで売り越しとなり、なかでも、英ポンドと豪米ドルの売り越しは過去最高水準に迫るほど、大規模なものであったからだ。

 円は、売り越しではなく買い越しだったこと自体が大きなサインであることを見逃せない。

 言ってみれば、円高は本物だ。

 日米政府の意向を汲む形で、投機筋は円のみ買い越しに傾いているから、これから仮に米ドル全体の反落があった場合、円がさらに買われていく可能性は高い。何しろ、外貨を買わないと米ドルを売れないから、買われるなら「最強」の外貨を買わないといけない。

 円は最弱だという印象、あるいは先入観が巷に根強いと思うが、少なくとも9月に入ってからの市況には合わない。今だからこそ、円は主要外貨のうち「最強」であることを認識すべきだ。今回の話もそれに尽きる。市況はいかに。

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