FRBが0.50%の大幅利下げを決定し、米ドル/円は140.45円まで急落も、144.00円レベルまで暴騰!
みなさん、こんにちは。
本日(9月19日)日本時間未明、FRB(米連邦準備制度理事会)がついに金融引き締めからの転換に動き始めました。
注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、0.50%の幅で4年半ぶりの利下げが決定されました。
利下げはスイスやユーロ圏、英国、カナダに続く措置です。
米金利先物市場では、0.50%の利下げ幅を60%程度しか織り込んでいませんでした。
加えて、利下げ発表後、今年の年末までに、さらに2.7回の利下げを織り込んでいます。
この意味においては、米ドル安となります。
実際、0.50%の大幅利下げが発表された直後、米ドル円は一時140.45円まで急落しています。
ただ、その後のマーケットは豹変。
突如、米ドル/円はその方向性を変え、本稿執筆時点では144.00円レベルまで350pipsも暴騰しています。
(出所:TradingView)
米ドル/円が急激に買い戻された「buy the facts(事実買い)」とはどういうことか?
きっかけは、パウエルFRB議長が「利下げを急いでいない」というスタンスを明らかにしたこと。
加えて、今回の利下げ幅については、過去2週間、0.50%なのか0.25%なのか議論尽くされてきたことが大きな要因だったと考えています。
つまり、「buy the facts(事実買い)」で、米ドル/円は急激に買い戻されたという展開。
議論尽くされるとなぜ、buy the factsが起きるのかというご質問をよくいただきますが、答えは簡単。
マーケット参加者は0.25%だった場合、そして0.50%だった場合で、オプションも含めて十分にヘッジをしているためです。
まず0.25%だった場合は、利下げ幅が期待値以下なので、シンプルに米ドル/円を買い戻し。
一方、0.50%の大幅利下げに対して、マーケット参加者が準備をしておくということは、米ドル/円であれば、事前にショートにしておくことになります。
この場合、0.50%の結果を受けてのアクションは米ドル買い戻しになります。
結果としては、0.25%でも0.50%でも米ドル買いがでるということになります。
これがbuy the factsの展開になった場合の、相場展開となります。
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米ドル/円は140〜146円のレンジで当面は推移か。米金利先物市場では、連続利下げを織り込み済み
では、今後米ドル/円はどうなるのかを検証してみましょう。
まず、米金利先物市場の価格の推移をみてみましょう。以下は米金利先物市場でのFF金利(※)先物の推移です。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
(※筆者提供の資料をもとにザイFX!編集部が作成)
米金利先物市場における計算値では、年末までにさらに2.7回利下げ(※)されることが織り込まれています。
(※編集部注:利下げ回数は限月などを考慮した計算式で計算されるが、ここでは省略する)
来年2025年末までだと7.7回の利下げが織り込まれており、先物金利は3.00%を割り込んでいます。
つまり、米金利先物市場では、今後のFRBの連続利下げを十分に織り込んでいると想定できます。
この結果、今後再び連続利下げがテーマになり、米ドル売りが進んでも、先ほどbuy the factで触れたことを考えると、米ドル/円の140円割れは底堅くなると考えています。
一方、これだけの連続利下げが予定されると、米2年債利回りも徐々に低下することが予測されるため、相関性の高い米ドル/円の上値も限定的。
結果、当面の米ドル/円は140〜146円のレンジ圏内で推移する公算が高まっています。
(出所:TradingView)
過去1年にわたって頻繁に討議されるも、まったく動かなかったFRBがついに、金融引き締めからの転換に動き始めました。
一方、米金利先物市場では過去半年以上、連続利下げを十分に織り込んでいるため、米ドル/円の下値は限定的。
結果、米ドル/円は140〜146円のレンジでの推移になりそうですので、丁寧にレンジを取っていくか、他の主要通貨でトレンドの明確な通貨ペアを探ったほうが良さそうです。
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