一連の米経済指標の悪化により、米2年債利回りが3.00%まで低下すれば、米ドル/円も140円割れの公算高まる
みなさん、こんにちは
このところ一連の弱い米経済指標の発表を受けて、米国の大幅利下げ観測が高まっています。
添付図は、米金利先物市場のFF金利(※)先物の推移。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
(※筆者提供の資料をもとにザイFX!編集部が作成)
現在のFF金利誘導目標の上限は5.50%ですが、米金利先物市場によれば、9月18日(水)開催予定のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、0.50%の米利下げ幅織り込み度が44%程度に上昇。
年末までの利下げ幅は、1.00%を超えてきています。
そして、来年末(2025年末)の誘導目標金利は、3.00%を割り込む程度にまで落ち込んでいます。
実際のマーケットが、米金利先物市場のように推移すれば、来年末には米2年債利回りも3.00%近くまで下落することになります。
米10年債利回りはインフレの影響で下落幅は抑制されるのでしょうが、米2年債利回りが3.00%に向けて低下すれば、米ドル/円もさすがに140円を割り込む公算が高まります。
(出所:TradingView)
一方、視点を米国株に移すと、このところの米国株は調整が続いています。
基本、米金利が低下するという予測のもとでは、米国株は底堅いはずなのですが、そういう流れにはなっていません。
そのあたりを次で確認してみましょう
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米金利低下と株の下落は通常、クロス円の下げを誘引。節目の100円を回復できなかった豪ドル/円は下値余地拡大!
もともとマーケットが警戒していたのが、米国の連続利下げが始まると予想されている9月18日(水)のFOMC。
マーケットの経験則でいえば、米連続利下げが予想されている時は、もちろん米株が底堅い。
そして、実際の利下げが始まると「sell the fact(事実売り)」という流れで、これまで積み上げてきた株が崩れ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も急落といったもの。
ところが、米国の利下げが始まるのを待たず、米国株はハイテク株を中心に、8月後半から上値が重くなってきています。
(出所:TradingView)
この要因は、今回FRBが利下げするのは、インフレが沈静化したというよりも米景気の悪化が徐々に鮮明になってきたためという見方が拡大しています。
米国の友人によれば、警戒しているのがAIバブルではなく、住宅バブルとの事。
米金利の低下は、米株にとってはポジティブですが、米景気には当然ネガティブ。
マーケット参加者の多くは、9月18日(水)にFRBが実際に利下げした後の、sell the facts(事実売り)による米株の下げを警戒していたのですが、利下げを待たずに、調整が始まった公算が高まります。
米金利の下げと、株の下落は通常、クロス円の下げを誘引します。
今回のクロス円の戻り局面で、節目の100円を回復できなかった豪ドル円も下値余地が拡大しているため、要注意でしょうか?
(出所:TradingView)
9月18日(水)の米利下げを待たず、調整を始めた米株、そして豪ドル/円の下落に警戒です。
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