米労働市場が想定以上に減速。FRBが利下げで後れを取っているとの懸念が高まり、米ドル売りに
みなさん、こんにちは
今週(8月19日~)、ジャクソンホール会議の次に注目が集まっていた、米労働統計局が発表した年次ベンチマーク改定の速報値ですが、3月までの1年間の雇用者増は81万8000人に下方修正されました。
これを1カ月あたりに換算すると、約6万8000人減。この下方修正幅は2009年以来最大となります。
今回の改定は、労働市場が当初の想定よりはるかに早い段階から減速していたことを意味し、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げで後れを取っているとの懸念が高まります。
ゴールドマン・サックスなどは、事前に100万人との予測をだしており、結果的にマーケットを米ドル売りに誘導。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)
実際の数字は100万人とはいきませんでしたが、81万人は十分な下方修正でした。
ゴールドマン・サックスはこの読みでたっぷり儲かったのではないか?というのがマーケットの噂。
ユーロ/米ドルは直近高値を更新。年末までの1.00%米利下げを織り込み済み。丁寧に押し目買いを継続か
ユーロ/米ドルは一時1.1174ドルまで上昇。これは昨年(2023年)12月28日(木)につけた高値である1.1139ドルを上回っており、直近の高値を更新したことになります。
(出所:TradingView)
一方、米金利先物市場での9月の予測は1.3回程度であまり変わっていませんが、年末までの利下げ織り込み度は4回になっています。
つまり、年末までに1.00%利下げされることを織り込み済み。
年末までにあと4カ月程しかない時期にも関わらず、この米金利先物市場の1.00%の利下げ予測はさすがに織り込み過ぎです。
そのため、今後米経済指標の数字が少し強い数字が出れば、こうした織り込み度が後退しそう。
結果、米ドルが反発する局面もあるでしょうから、ユーロ/米ドルも高値は追いたくないため、丁寧に押し目買い継続でしょうか?
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ユーロ/円は大きく値を上げそう! 8月23日の日銀総裁発言がハト派なら、米ドル/円が大きく反発し、ユーロ/米ドルも上昇トレンド
一方、米ドル/円に関しては、8月23日(金)に開かれる衆参両院での日銀の植田和男総裁への審査に注目。
ここで、日銀総裁は市場の厳しい目にさらされることになります。
なぜなら、日銀が7月の金融政策決定会合で決めた追加利上げと植田総裁が発した明確なタカ派的シグナルが、今月(8月)初めの世界的な金融市場の混乱につながったと見られているためです。
今回の総裁のコメントはかなり重要です。
仮に日銀総裁がタカ派色を明確に出せば、米ドル/円は円高に進みますが、株が暴落する懸念があります。
一方、明確にハト派のシグナルを出せば、再び円安がかなり進むリスクがあります。
つまり、7月会合前と同じような状態に戻ってしまうリスクが高まるわけです。
そのため、日銀総裁のコメントは慎重にバランスをとれたものになると想定されますが、再び「世界的な株暴落を引き起こした日銀総裁」というレッテルを貼られたくなければ、いくぶんハト派的なトーンになる可能性が高い。
よって、対円に関しては米ドルの下げ余地は限定的となると想定しています。
彼のコメントによっては、米ドル/円が大きく反発する可能性も高い。
(出所:TradingView)
結果、日銀総裁のコメント次第では、ユーロ/円が大きく値を上げる公算が高いと考えています。
米金利先物市場で年末までに1.00%利下げされることを織り込み済みの動きの中、ユーロ/米ドルの上昇トレンドは変わらず。
一方、8月23日(金)の日銀総裁のコメントはハト派になる可能性も高いため、ユーロ/円の反発にも注目。
(出所:TradingView)
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