昨日の米国市場ではドル金利の上昇が目立った。連休明けで間をすっ飛ばしているので、その分だけ余計に金利上昇が大きかったように見える。ドル金利の上昇も、トランプ新政権の人事構想が出るたびに、それを裏付けることとなっている。対中関係でハードな姿勢で知られる人が話題にのぼると、物価上昇によるインフレが懸念されるのだ。
ドル金利の上昇によって、ドル相場も全面高となった。ドル円は155円台に届きそうなところまで吹き上がってしまった。ドル円はこれまでも上値余地を確かめる動きをしてきていたので不思議はないのだが、ここにきてユーロドルの下落も激しくなっている。ユーロドルはついに1.05台に突入した。
ドル金利の上昇が際立ってきたのは、9月からである。もっと言うと、9月利下げの後からである。来年末までの向こう1年間の利下げ幅は、9月利下げ以来で125ベーシスも縮まった。そのおかげで12月に25ベーシスの利下げをしたら、もう来年は25ベーシスの利下げはあと1回だけだということになった。それだけ足元での利下げ期待感が薄れてしまったのである。
たしかにGDPを見ても雇用を見ても、いずれも利下げを急がなければならない正当な理由が見当たらない。ようやくインフレが一時期のひどさより収まってきただけだ。そのインフレもトランプ政権誕生で風前の灯となっているのだ。
そういうわけで市場における利下げの見込みがないことが再確認されるようになるまで、静かにドル高は進行しそうである。とりあえず今晩のCPIがそうした状況にどう影響するか注目だ。
日本時間 15時30分
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