当て続けることができない予想をせずに、利益を狙うにはリスクをコントロールすること
当コラムやメルマガなどでお伝えしていますが、相場の先行きがどうなるかは誰にもわかりません。未来が見える人はいないからです。
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それでも予想が当たれば、高揚感や絶対感を得ることができます。ただ、これはギャンブルで当てるのとほぼ同じ精神状態で、合理的投資とは考えにくいと思っています。
なにより、相場予想を当て続けることが不可能であることを考えると、予想が当たるかどうかは、運や偶然によるものが強いと思われます。
それは、毎年末に金融関係者が出す翌年の米ドル/円予想も同様で、毎年当たっている人はいないはずです。
それでは、当て続けることができない予想をせずに、どうやって利益を狙うかと言えば、リスクをコントロールするということです。
つまり、リスクが少ないと思われるところで仕掛け、上手く利益が乗ればこれを伸ばし、上手く行かなければ小さな損失で抑えることで、トータルでの利益を積み上げていきます。これがトレーダーの仕事です。
このリスクの少なそうなところが、相場の壁付近です。
相場の壁は、チャートポイントでもあり、売り手と買い手が交錯する場面です。売り手と買い手が交錯した結果、どちらかが優勢となると、反対側の損切りも巻き込んで相場はその方向へ動き出します。私たちのメルマガでは、これを狙っています。
2025年の米ドル/円は161.94~139.57円の月足レンジをどちらに抜けるかが注目。大手金融機関も月足レンジを意識か
こうした観点から2025年の米ドル/円相場を見ると、月足レンジの示す今年(2024年)7月高値161.94円の壁と、今年9月安値139.57円の壁のどちらを抜けるかが注目され、当面はこの壁の中での推移が続くものと思われます。
(出所:TradingView)
なお、日経新聞によると、大手金融機関は来年末(2025年末)の米ドル/円予想を以下のように出しており、方向性の違いはあるものの、大手金融機関も月足レンジを意識していることが推測できます。
●大手金融機関の2025年末の米ドル/円予想
みずほ銀行 ⇒ 156円
三菱UFJ銀行 ⇒ 148円
三井住友銀行 ⇒ 143円
モルガンスタンレー ⇒ 138円
(※日経新聞の報道をもとに編集部が作成)
この月足レンジを抜ければ、その方向に動く可能性が高まりますが、月足なので厚みもあり、簡単ではないことが想像できます。また、いつこの上下の壁に接近するかはわかりません。
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米ドル/円日足週足だと161.94円に向けて買い目線だが、月足だと161.94円の壁の手前で売り仕掛け、20円近い下落に賭けられる
米ドル/円月足レンジは約22円幅でかなり広いレンジですが、より身近な日足や週足を見ると、12月19日(木)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)を受けた動きで、ダウ理論はそれまでの下向きから転換して上向きになりました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
このため、直近の日足や週足の買い手は161.94円に向けて買い目線でいると思われます。
ただ、月足を見ている人からすれば、160円かその手前付近から、161.94円の壁の手前で売り仕掛けを考える可能性があります。上に月足の壁があるので、リスクを限定して仕掛けることができるからです。
冒頭でお伝えしたリスクコントロールがしやすい場面ということです。
月足レンジ22円幅の中で、159円台になれば損切り幅は3円でしかありませんし、160円台になれば2円ありません。ということは、この付近で売り仕掛けすると、20円近い下落の可能性に賭けることができます。
(出所:TradingView)
2025年の米ドル/円は161.94円を上抜けできなければ、139.57円を下抜けできるかに注目が移行
また、米ドル/円月足のダウ理論は今年転換して下向きになっています。
今年7月から9月の下落で、米ドル/円は昨年(2023年)12月安値140.24円を下抜けて139.57円まで下げています。このため月足のダウ理論は下向きに転換しており、月足レンジ上限161.94円を上抜けない限り、下向きの可能性が続くと考えられます。
(出所:TradingView)
となれば、上記のように161.94円の壁を使った売り仕掛けを考えやすくなります。
一方、12月20日(金)に157.92円まで上昇した米ドル/円は、月足レンジ内で動いているので、月足レンジ下限139.57円を下抜けない限り、長期的に下げることはできません。
このため、来年はまず、月足レンジ上限である161.94円を上抜けできるのかが注目され、もしここが上抜けできずに下げる動きになるなら、次は139.57円を下抜けできるかに注目が移行していくことになります。
米ドル/円は158円付近まで上昇したため、日本当局からの口先介入も入りやすくなっています。
そして、年末年始の時期は流動性が極端に低下するので、2018年のように1分で4円も急落するようなことも起こりかねませんから、要注意です。
逆に、こうした流動性低下局面は、当局が実弾介入するなら、素人の私にはとても効率的に見えてきます。
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FXはいかにギャンブルにならないようにするか。2025年もチャート分析を続けていく
今回のコラムは「2025年のFX予想」というテーマで、普段とは違う月足での視点で米ドル/円相場を見ましたが、メルマガでお伝えしている日々の取引は、日足か週足を分析してチャンスを狙うことになります。
某株トレーダーの方が、投資はいかにギャンブルにならないようにするかに注力するという話をしていました。これはFXでも同様だと思います。
できるだけ合理的な判断でリスクコントールしていくことが、個人投資家が市場から利益を得るためには不可欠だと思うので、この点を意識して、来年の相場でもチャート分析を続けたいと思います。
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