FOMCは来年の利下げが2回にとどまることを示唆し、米ドル全面高、米国株急落
みなさん、こんにちは。
先週(12月9日~)から始まった中央銀行週間は、今週(12月16日~)のFOMC(米連邦公開市場委員会)、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])会合、そして日銀会合(日銀金融政策決定会合)で終了となります。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は底堅い可能性が高い! FOMCと日銀会合を控えて日米金利差縮小予想が多く、思った以上に日本の企業が米ドルを買えていないことを警戒しつつ、押し目待ち!(12月16日、西原宏一&叶内文子)
⇒豪ドル/円、ユーロ/円を筆頭にクロス円が重い展開に。主要中銀が今週、軒並み利下げ予想で日本との金利差縮小。連続利下げ見込みのECBは0.50%利下げ予想もあり注目!(12月9日、西原宏一&叶内文子)
最大の注目であるFOMCが、日本時間本日(12月19日)未明に終了しました。
FOMCでは主要政策金利をコンセンサスどおり、0.25%引き下げることを決定。利下げは3会合連続でした。
そして、マーケットがフォーカスしていた来年(2025年)の利下げについては、FOMC参加者の中央値で0.25%の利下げが2回実施されることが示唆されています。
2025年の利下げに関しては4回というのがコンセンサスになっていた時期もありますが、結局来年の利下げは2回ということになりそうです。
(出所:FRB)
これを受け、米国株は大きく値を下げています。S&P500は2.95%、NYダウは2.58%、ナスダック総合指数にいたっては3.56%も急落しています。
(出所:TradingView)
株の下落により、リスク資産(リスクアセット)の豪ドルやNZドルは大きく値を下げています。
ユーロ/米ドルは1.0350ドルに反落し、米ドル/円も155.40円に反発。結果、為替では米ドル全面高となっています。
(出所:TradingView)
★ザイFX!で人気の西原宏一さんの有料メルマガ「トレード戦略指令!」では、タイムリーな為替予想や実践的な売買アドバイスなどをメルマガや会員限定ウェブサイトで配信! メルマガ登録後10日間無料です。
米ドル/円、ユーロ/米ドルとも米ドルの押し目買い継続。インフレ再燃で利下げ不要論も一部で台頭
ここでチェックしたいのが、米10年債利回りと米ドル/円の相関チャートです。
(出所:TradingView)
確認できるように、米ドル/円は米10年債利回りの推移に相関する傾向があります。
それでは、このところの米10年債利回りをチェックしてみましょう。
米10年債利回りは一時4.50%台まで上昇後、いったん4.1%台まで値を崩しましたが、今回のFOMCの結果を受け、再び4.51%台まで急反発しています。
(出所:TradingView)
前述のように、来年の米国の利下げ見通しは4回から2回に低下。
トランプ政権の移民排斥政策も、安い労働力の減少からインフレ再燃につながりやすいため、マーケットの一部では「利下げ不要との見方」も台頭しています。
こうした環境下、米10年債利回りは底堅く推移することが懸念され、相関する米ドル/円も下値は限定的となりそう。
前回のコラムでご紹介させていただいたように、本邦の事業法人が米ドルの手当が大きく遅れているようなので、150円を割り込むのは難しそうです。
【※関連記事はこちら!】
⇒【2025年のFX予想】米ドル/円は145~165円程度のレンジの中で、円高局面では米ドル買いが機能しそう! 日米金利差縮小がわかりやすい分、米ドル買い遅れ組が増加中(12月12日、西原宏一)
米ドル/円に関しては、日銀会合にも警戒しなければいけませんが、その日銀は先ほど、コンセンサスどおり現状維持を発表しました。
この後、植田総裁の記者会見が注目されますが、BI(Bloomberg Intelligence)によれば、1月の利上げが検討されていることを示唆するとしています。
BIによれば、来年については0.25%の利上げが3回実施されると予測しているようですが、それについては、植田総裁は記者会見次第です。
ともあれ、大注目だったFOMCは、来年の利下げが2回にとどまることを示唆。
米金利も底堅く推移しており、ユーロ/米ドル、米ドル/円とも米ドルの押し目買いを継続したいと思います。
(出所:TradingView)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)