2025年年初のテーマは2つ!経済と政治の問題が交錯する年になりそう
みなさま、新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年(2025年)はスタートから経済的な問題と政治的な問題が大きく交錯する可能性のある年なので、慎重に取引を進めていきたいと思います。年初のテーマは大きく言って2点です。
まず1点目は、日米の金融政策です。米国では昨年(2024年)12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利であるFFレートの0.25%引き下げが決定されました。
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⇒【2025年FX予想】米ドル/円は目先160円を目指すか?ただし、年初は再び米ドル売り・円買い介入が実施される可能性も十分ありそうな点には警戒したい(12月26日、今井雅人)
これは予想通りだったのですが、その後の記者会見でパウエルFRB議長は「今回の引き下げもギリギリの判断だった」、「金利水準は中立に近づいてきている」と発言しました。
この発言は、そろそろ利下げの終わりが近づいていて、12月ですら利下げは見送られた可能性があったということです。今回のFOMCでは3か月ぶりにドットチャートが発表されました。ここでは、2025年に2回の利下げが実施される予想がメンバーの中央値であることが明らかになりました。
ちなみに、前回は2025年に4回の利下げが予想の中央値でしたから、かなり後退したことになります。それからというもの、米国の利下げが終わりに近づいているということで、米ドル相場は堅調に推移していますが、その傾向は基本的に継続すると予想されます。
(出所:TradingView)
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日本は2回利上げする可能性が高い。その時、円はどう動く?
一方の日本ですが、個人的には、今年(2025年)は2回ほど利上げを実施する可能性が高いとみています。
最初の利上げの時期についてですが、植田日銀総裁は「トランプ米大統領の経済政策や春闘の結果を見てから判断したい」と発言しているので、3月ごろになる公算が高いのではないかと考えています。
ただ、植田総裁は「さらなる円安が物価に与える影響に懸念を示し、場合によっては対応が必要だ」とも発言していることを考えると、年初に円安が進み過ぎると1月に利上げを決断する可能性もあるため、その点は頭に入れておく必要があります。
その上で年2回程度の利上げであれば、円相場への影響は限定的となるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
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トランプ大統領就任でもっとも気になるのは追加関税の行方
もう1点大きな注目となるのが、トランプ米大統領の就任です。1月20日(月)に就任式が行われますが、すでにいろいろと発言を始めています。就任直後はさらにさまざまな政策を打ち出すと思われます。
日本にもっとも影響が大きいと考えられるのが、関税の問題です。
もし、トランプ米大統領が中国、カナダ、メキシコに対してのように日本に対して輸入関税を課すことがあった場合にどう動くのかも判断が難しい。リスクオフから円高になる可能性もありますが、関税を引き上げると輸入物価が上昇し、米国にインフレ圧力が高まってくるため、米ドル高になるというシナリオも考えられます。
その反面、トランプ米大統領は貿易面から米ドル安政策を打ち出すとの観測もあります。正直、トランプ米大統領の出方を見てから判断するしかありません。
結局、トランプ大統領の出方を見てから判断するしかない(C)Mark Wilson/Getty Images
以上のように、米ドル高傾向を基本シナリオとしながらも、政治的リスクによっては逆方向に向かうというリスクを頭に入れて乗り切っていきたいと考えています。
政治的な米ドル安圧力がなければ、米ドル/円は165円に向かう展開がみられるのではないかと予想しています。
(出所:TradingView)
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