米ドル/円は一時150円台へ下落。米ドル高の進行は終焉とみる。
米長期金利は「三尊天井」を形成して下落し、下放れを果たした
米ドル全体が反落してきており、米ドル/円も今朝(2月7日)いったん151円の節目割れを果たした。
![米ドル/円 4時間足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/0/0/-/img_00aac5e4ad97f9226692dea7ee16a10b103590.jpg)
(出所:TradingView)
繰り返し指摘してきように、トランプ政権の発足で米ドル高は逆に終焉しやすく、その兆しが鮮明になってきたのもシナリオのとおりと言える。
為替は米ドルしだい、そして米ドルは米長期金利次第というのは、前回の本コラムで指摘したとおりだ。米10年物国債利回り(米長期金利)が「三尊天井」のフォーメーションを形成、そして一昨日(2月5日)大きく反落し、正式に下放れを果たしたことを示唆している。
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⇒2月前半の米ドル/円は、152~156円のレンジを想定した戻り売りが基本戦略に!トランプ大統領の再登板は米ドルの信頼を損ない、一段高のシナリオが描けない状態(2025年1月31日、陳満咲杜)
![米10年物国債利回り 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/b/c/-/img_bcfdfb7a23efd1c38d7d3cbc411921c996495.jpg)
(出所:TradingView)
今晩(2月7日)の米雇用統計次第で波乱が想定されるものの、このフォーメーションの存在を否定できない限り、米ドル高の進行がすでに1月高値をもって終焉した、と認識しておきたい。
対照的に、日本の長期金利が強気トレンドを推進している。これから再度高値更新してもおかしくないから、予想できる範囲内でも日米金利差が一段と縮小することが確実視される。
![日本10年物国債利回り 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/4/e/-/img_4e5b377d5c48b83215c540f382a7c0d695158.jpg)
(出所:TradingView)
そうなると、いわゆる「金利差の米ドル高」という解釈が、米ドル/円において、少なくとも米ドル買いのロジックとして効かなくなる可能性が大きいかと思う。
200日線割れで、米ドル高一辺倒の市場センチメンが変化。
今晩の米ドル/円の動向が重要! 米雇用統計後は相場の流れができる
だからこそ、本日(2月7日)筆者のXに書いたように、米ドル/円の200日移動平均線(200日線)割れがあって、少なくとも米ドル高一辺倒の市場センチメンが変化してきたと思う。
200日線の割り込み自体がトレードの根拠になれないが、市場センチメントが左右されるかも・・・ #ドル円 #fx #日足 pic.twitter.com/oJ0gyVHW5P
— 陳まさと@プライスアクション (@chinmasato) February 7, 2025
相場は結局センチメントに左右されやすいから、ガンガン米ドルの押し目を拾う、という動きがあまり見られないなら、市況はさらなる押し目(すなわち米ドルの反落)を作る方向に流されやすい。今晩(2月7日)の米雇用統計の試練が、その証拠のよい材料となりそうだ。
犬も食わない米雇用統計の予想を今さら語るつもりはないが、同指標がリリースされた後は往々にして波乱が大きいこと、またその後の相場の流れを作っていくことは確かなので、今晩(2月7日)の米ドル/円の動向が重要だと思う。
米ドル/円は米雇用統計後に反発したとしても、155円台以上には定着しないだろう
ここでは米ドル安に寄与する指標を想定しても「おもしろくない」ので、あえてリリース後に米ドルがいったん買われる局面を想定しておきたい。
そして、こういう局面では当然、テクニカルの視点をもって検証しないといけない。下のチャートを見ていただくと、昨年(2024年)9月安値(1)から同12月安値(2)を連結する元サポートラインの延長線が、2月3日(月)の日足(3)の頭打ちをもって一転してレジスタンスラインと化していたことが一目瞭然であり、だからこそ足元まで反落してきたと言える。
![米ドル/円 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/1/d/-/img_1d434ba14ac68f3df84e247e24e141ac154219.jpg)
(筆者提供)
仮に今晩(2月7日)、米ドルの切り返しが先行しても、レジスタンスゾーンが上に控え、また密集していることが、チャートを見ればおわかりいただけるかと思う。
詳しい説明を省くが、筆者が好んで使っている「GMMA+一目均衡表」のチャートの押し目では、12本の移動平均線と「雲」ゾーンが合致し、レートの上に位置する場合、往々にして強いレジスタンスを示唆している。
この見方が正しければ、152円~155円台のレジスタンスゾーンはとても厚くなっているように見え、仮に今晩(2月7日)、米ドルの大反発があっても、155円台以上に定着するとは思わない。
よって、結果的に再度頭打ちにしやすく、また出遅れている米ドルのショート筋にとっては、絶好の戻り売りの機会と映るはずだ。
売られすぎた円のさらなる買い戻しは、これからも継続する可能性が大きい。円が米ドル安の受け皿として重視されるだろう
一方、同じチャートでドルインデックスを検証すればわかるように、米ドル全体(ドルインデックス)は雲ゾーンの下にまだ突っ込んでいない上、GMMAチャートが示す移動平均線のデットクロスもまだまだ形成されていない。
![ドルインデックス 日足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/-/img_f9634d654fb7df9e9e606d83a56e9a7e120095.jpg)
(筆者提供)
よって、米ドル/円はドルインデックスと比べて一足先に反落しているから、ドルインデックスが今晩(2月7日)の米雇用統計後でも大きく続落しない場合、米ドル/円だけがガンガン下値トライしていく、という市況も想定しにくい。
ゆえに、昨晩(2月6日)見られたユーロ/円や英ポンド/円の下落幅の拡大がむしろ自然ななりゆきである。
![世界の通貨VS円 4時間足チャート](https://zaifx.ismcdn.jp/mwimgs/8/9/-/img_892e3118c809a5b075f229b8b8404fcf166405.jpg)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
換言すれば、円は米ドル安の受け皿として再び重視される可能性があるから、これからリード役として一段と力を発揮する可能性がある。
となると、売られすぎた円のさらなる買い戻しは、今晩(2月7日)の米雇用統計次第ではなく、米雇用統計の結果を問わず、これからも継続する可能性が大きいとみる。市況はいかに。
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