本日のNY為替市場のドル円は、先週末に日本銀行とニューヨーク連邦準備銀行がドル円に関して「レートチェック」を行ったとの観測を受けて、日米協調ドル高・円安是正への思惑が高まっており、下値を模索する展開が予想される。
米国側のドル高抑制の背景には、貿易赤字削減や、米長期金利の上昇につながる米国債下落を避けたい狙いがある。日本側の円安抑制の背景には、高市政権の物価高抑制のための輸入物価上昇を阻止したい事情がある。
高市首相は「投機的な動きや非常に異常な動きには政府として打つべき手を打つ」と述べており、今後はトランプ米大統領によるドル高に対する見解に警戒しておきたい。トランプ氏は2024年4月、ドル円が154円台に乗せた時、「米国の製造業にとって大惨事だ」とSNSに投稿していた。
1月20日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席していたベッセント米財務長官と片山財務相は、1時間余りの会談に臨み、日米のトリプル安(株安・債券安・通貨安)に関する協議を行った。
ベッセント氏は、「日本国債の下落は米国債市場にも波及した。私は日本の経済担当カウンターパートと連絡を取っている。日本側から市場を落ち着かせる発言が出てくることを確信している。過度な為替変動は望ましくない」と述べた。片山財務相は、「市場を安定させるためのことはやってきているし、これからもやることは必ず約束できる」と述べ、市場に冷静な対応を呼びかけた。
その後、23日に植田日銀総裁が日銀金融政策決定会合後の記者会見でややハト派的な見解を述べて、ドル円が159円台に上昇した後、157円台まで急落した。そして、ドル円が158円台で推移していたニューヨーク市場で、155円台に下げ幅を拡大。日本の財務省の意向で日本銀行が「レートチェック」を行い、米財務省の意向でニューヨーク連邦準備銀行が「レートチェック」を行ったようだ。今朝の東京市場は窓をあけて下落し、153円台まで続落している。
日米の通貨当局が協調してドル売り・円買い介入に踏み切ったのは、1985年9月のプラザ合意と1998年6月のアジア通貨危機の時だけである。
1998年6月17日にドル円が144円台まで上昇した局面で、日米協調円買い・ドル売り介入が行われ、高値144.14円から安値136.03円まで8.11円下落した。この時の日米協調介入では、米国が8億ドルのドル売り、日本が2312億円の円買いを行い、合計で約25億ドル規模の介入だった。その後ドル円は、8月に147円台まで切り返したが、ロシアのルーブル建て債務のデフォルトやロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)の破綻を受けて、最終的には101円台まで下落していった。
ドル円のテクニカル分析では、中期的には、価格は159.45円まで高値を更新していたものの、オシレーター系指標は更新できていないという「逆行現象(ダイバージェンス)」が出現して売りシグナルが点灯していた。窓(155.63円〜155.35円)を空けて下放れたのは短期的な売りシグナルであり、雲(※下限:153.64円)を下抜けた場合は、一目均衡表の三役逆転となるため、下値リスクに警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.63円(1/23安値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、152.16円(2025/10/30安値)
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