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米当局のレートチェックで米ドル/円は急落!なぜ
「極めて異例」とも言える為替市場へ踏み込んだのか?
そして「借り」を作った日本政府はどう動くのか?

2026年01月26日(月)14:09公開 (2026年01月26日(月)14:09更新)
志摩力男

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米当局が「極めて異例」のレートチェックをした理由

 1月23日(金)NY市場においてNY連銀が「レートチェック」を行い、米ドル/円が急落しました。これに関して少し考えて見たいと思います。

 なぜベッセント財務長官はレートチェックを決断したのか。米国が為替市場に踏み込むことは、過去ほとんどありません。極めて異例です。

・日本の長期金利上昇が米長期金利に及ぼす影響を「遮断」

 先週(1月19日~)、米10年債利回りは4.2%を突破して、一時4.3%台となりました。

米10年債利回り 日足
米10年債利回り 日足

(出所:TradingView

 トランプ大統領によるグリーンランド領有問題を理由に欧州機関投資家が米市場から引き上げるとの観測が利回り上昇の背景ですが、ベッセント財務長官は(トランプ大統領を守る意味もあり)日本の金利上昇も一因と明言しました。

 米財務長官として、日本発の金融動乱から米国を守る決断をしたということでしょう

・高市政権へのサポート

 高市首相が「行き過ぎた緊縮志向、未来への投資不足、この流れを高市内閣で終わらせます」と宣言して総選挙に踏み切りましたが、円安と長期金利高騰に直面しました。

 米政権として、高市政権は財政金融政策面で不安かもしれませんが、タカ派的外交姿勢は大変有用。防衛費に関しては「責任ある」積極財政をしてもらいたいと思っているでしょう。選挙もあり、高市政権サポートという側面はあったと思います。

・対米5500億ドル投資へのサポート

 韓国が対米投資2000億ドルを当面中止しました。韓国ウォン安が理由です。

韓国、対米投資200億ドルを当面見送りへ-ウォン安が影響

(出所:Bloomberg

 対米投資のスキームは基本的に外貨準備から投資します。韓国の外貨準備は4200億ドル、ここから対米投資2000億ドルが消えると、手元に残る介入資金は半減し、それが理由で市場からの韓国ウォン売り攻撃を浴びる可能性があります。

 日本は外貨準備1.3兆ドル。5500億ドルが対米投資されてもそれなりの金額が残りますが、今後の為替介入で外貨準備が減少した場合、韓国同様に対米投資を当面中止となると、トランプ政権の計画に支障をきたします。

 また、米国としては、為替介入で円転(利食い)されるより、資金を米ドルに留め、対米投資に振り向けられる方が望ましいはずです。レートチェックで、円安を防止し、こうしたリスクを未然に防ぎました。

・トランプ大統領は、基本的に米ドル安を望んでいる

 「マー・アラーゴ合意」というものが話題になりましたが、米国の製造業を復活させるため、米ドル高を是正する意向をトランプ政権は持っているはずです。

 目先、中間選挙に向けては物価対策優先ですが、トランプ大統領は基本的に米ドル安を志向しているはずです。

トランプ大統領は基本的に米ドル安を志向しているはず(C)Mark Wilson/Getty Images

トランプ大統領は基本的に米ドル安を志向しているはず(C)Mark Wilson/Getty Images

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米当局が為替市場に踏み込んで来ることは「異例」。過去3回為替介入はすべて大勝利!

 米当局が為替市場に踏み込んで来ることは、極めて異例です。NY連銀のウェブサイトにも書いてありますが、1996年以降、為替市場に介入したのは3回だけ。

 1998年6月の円買い介入、2000年9月のユーロ買い介入、そして東日本大震災後の2011年3月の円売り介入です。

Foreign Exchange Operations

(出所:NY連銀

 しかし、この過去3回、いずれもNY連銀の介入は「大勝利」をおさめています。

 1998年6月17日米ドル/円は144円前後だったと記憶していますが、介入で140円割れとなりました。

 その後、反発すると高値を更新し、8月11日には147.67円の最高値を付けました。しかし、その後相場は崩れ、10月には1日10円以上円高になる日が2日続くという異例の動きになりました。

 2000年9月22日にユーロ/米ドル買い介入は行われましたが、0.86ドル台で行われ0.89ドル台へとユーロは反発(米ドル安)しました。しかし、このユーロ、そこからまた下落し、10月26日には0.8228ドルの最安値を付けましたが、結果的に反転し、2008年の1.6000ドルに向けてのスタートとなりました。

 2011年3月17日に行われた米ドル/円の買い介入は、東北大震災を受けてのもの。フランスの発案にG7各国が乗りました。大震災時に円高になるというアノマリーから円高が進みましたが、介入で76円台から82円近辺まで米ドル/円は反発しました。

 しかし、その後1年半以上、日本は円高が進み、2012年10月には75.35円という円の史上最高値となりましたが、その後、安倍政権誕生とともに現在の160円への反発となりました。

 このように、過去3回、NY連銀の為替介入は大勝利を収めているのです。

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米国政府に借りを作った日本政府!日銀の利上げは近いか?

 また、今回、日本政府は米政府に「借り」を作りました。かねてより、米政府は以下のように発言しています。

Secretary Bessent highlighted the important role of sound monetary policy formulation and communication in anchoring inflation expectations and preventing excess exchange rate volatility, as conditions are substantially different twelve years after the introduction of Abenomics.

(出所:米財務省

 ベッセント財務長官は、アベノミクス導入から12年が経過し、状況が大きく変化している中、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが、インフレ期待の定着と過度な為替レートの変動の防止において重要な役割を担っていることを強調しました。

 「健全な金融政策の策定」が求められています。そして、米政府が関わった以上、このレートチェックは必ず成功しなければなりません。

 その意味では、日銀の利上げは近いのかもしれません。3月19日(木)もしくは4月28日(火)に日銀金融政策決定会合が行われますが、利上げの可能性は高いと見ます。

 それでも、高市政権が続けば、放漫財政政策は続きます。ファンダメンタルズは根本的には変わりません。過去3回の米当局による為替介入同様に、今回が相場の大転換になるかどうか、わからないところはあります。

 過去3回の介入時、当初介入は効きますが、その後、反対方向への動き(元のトレンドへの動き)が1998年の米ドル/円と2000年のユーロ/米ドルの時は1~2カ月ほど続き、それから反転となりました。2011年の米ドル/円は介入時から反転まで1年半かかっています。

 しかし米当局も容認できない水準という市場への警告にはなります。今回の場合には、万が一、レートチェックのレベルを超えてくると、日米協調介入という可能性も出てきます。米当局からのシグナルを軽く考えるべきではないと言えそうです。


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