衆議院選挙後の日本株は暴騰も、米ドル/円は反落
みなさん、こんにちは。
今回の衆議院選挙で自民党が大勝したことは、海外勢に好意的にみられており、日本への投資を喚起する可能性が高まっています。
まず、FT(フィナンシャル・タイムズ)の東京支局長、レオ・ルイス(Leo Lewis)の記事を見てみましょう。
投資助言会社アストリス・アドバイザリー・ジャパンの日本ストラテジスト、ニール・ニューマン氏は、今回の勝利は自民党が再び主導権を握り、経済を支えるために投資を加速させることを意味すると語った。
「日本はもはや中国の貿易の脅しにおびえたり耐えたりせず、その影響を相殺するために投資する。投資家としては、月曜(2月9日)から再考しなければならない真新しい日本がある」と付け加えた。
(出所:FT)
海外勢の日本株への投資拡大もあり、日経平均は一時5万8000円台まで駆け上がっており、年初から7000円強高騰しています。

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
海外勢が日本株に投資すると、そのヘッジで日本円の売り、つまり円安圧力となります。
実際、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は総じて円売りとなっています。スイスフラン/円は年初のレベルから一時7円強、豪ドル/円も6円強上昇しています。
それでは、米ドル/円も160円を超えて上昇したのか?
衆議院選挙直後の米ドル/円は一時157.66円まで上昇。ところがその後、152.56円まで反落しています。

(出所:TradingView)
この米ドル/円の下落を考えてみると、まず自民党大勝をマーケットが織り込んでおり、「うわさで買って事実で売る」のセオリーどおり、利益確定売りからいったん反落したといえます。
次は、三村財務官の口先介入です。自民党大勝の報を受け、米ドル/円が160円に向けて急騰している局面で、すかさず三村財務官が「高い緊張感を持って注視」「為替市場とは常に対話する」と口先介入を実施。彼のコメントが米ドル/円の158〜160円の上値を再び抑えたといえます。
最後は、総じて米ドルが下落していること。年初来の主要通貨の対米ドル騰落率を見ると、豪ドルを筆頭にすべての主要通貨に対して米ドルが下落しています。

その結果、主要通貨のクロス円に関しては円安となっているのですが、米ドル安の流れの中、対米ドルではなかなか円安が進まないという展開になってしまっています。
しかし、高市政権の「責任ある積極財政」という中長期の政策スタンスは、対米ドルでも円安圧力として機能し続けますし、日米金利差も大きく縮小する気配がありません。
159~160円に接近すると当局の口先介入もあるため、米ドル/円は辛抱強く、押し目買いという方針は変わらず。
そして、米ドル/円よりもう少しトレンドが出始めているのが、前述のようにスイスフラン/円、豪ドル/円を筆頭としたクロス円となります。
豪ドルにヘッジファンドも注目。110円超え定着を目指す豪ドル/円を押し目買い
それでは、クロス円の中で今年の注目通貨ペアとしてこのコラムで何度も取り上げてきた、豪ドル/円を今回はチェックしてみましょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は150円割れへじり安か。ベッセント米財務長官が介入否定も、参加者の多くはレートチェックだけと認識。米ドル/円急落でも、110円超え目指す豪ドル/円も注目(1月29日、西原宏一)
今月(2月)、豪ドル/円は最初のターゲットとしていた110円台に一時乗せてきています。

(出所:TradingView)
豪ドルがなぜ注目されているのかをもう1度まとめてみましょう。おもに以下の3つの理由があげられます。
(1)RBAのタカ派姿勢が鮮明
先週(2月2日~)、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は0.25%の利上げを全員一致で決定(政策金利は3.85%へ)。市場は「少なくとも1人は据え置き」を予想していたが、結果は全会一致のサプライズだった
●ブロック総裁は議会証言で「インフレ率3%超は不快だ」と明言
●スワップ市場では6月にさらなる利上げがほぼ完全に織り込まれている
(2) ヘッジファンドのロングポジションが8年ぶりの高水準
ヘッジファンドなど非商業部門(Speculators)による豪ドルネット・ロング数が、2月3日週時点で急増しています。
●豪ドルネット・ロング数:5万7115契約
●前週比変化:約43%増(前週は3万9900契約程度からの急増)
●水準:2017年後半以来、約8年ぶりの高水準
(3)JPモルガンが豪ドル/米ドルの目標を0.68ドルから0.73ドルに引き上げ。
「豪ドルは引き締めサイクル進行中という点で独自のポジションにある」と指摘している
豪ドルは金(ゴールド)とも相関性が高いため、金が短期的に調整に入ると、相関して豪ドルも値を崩すこともあります。
ただ、こうした調整局面こそ、上昇トレンドに入った豪ドル/円の押し目買いのチャンスだと想定しています。
衆議院選挙後は利益確定の売りも持ち込まれ、米ドル/円が152円台まで値を下げる局面もありましたが、高市政権の「責任ある積極財政」という中長期の政策スタンスは、対米ドルでも円安圧力として機能し続けるでしょう。
よって、今週も高値追いは避け、丁寧にかつ辛抱強く米ドル/円と豪ドル/円を押し目買いする方針です。
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