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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円の介入に要警戒! 片山さつき財務相の「あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」発言は介入への最終警告。1/12の日米財務相会談で米国の承認も取り付けた

2026年01月15日(木)12:26公開 (2026年01月15日(木)12:26更新)
西原宏一

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高市首相が「早期の衆院解散」の意向を与党幹部へ

 みなさん、こんにちは。

 先週、1月9日(金)のマーケットは米雇用統計の結果にフォーカスしていましたが、それをはるかに超える報道が読売新聞から飛び出し、一気に株高、円安がスタートしました。


高市首相が衆院解散を検討、23日通常国会の冒頭に
2月上中旬に投開票の公算 高市首相(自民党総裁)は9日、23日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った。衆院選は2月上中旬に実施される公算が大きい。首相は参院で少数与党が続いており、政策実現の推進力を得る必要があると判断したとみられる。
(出所:読売新聞)


 首相が解散を決めた要因は、党内基盤が弱く、参院では与党が過半数を持たない「ねじれ」の状況であること。

政策を強烈に推進するには、選挙で国民の信任を得る方法を選ぶしかなかったともいえます。

 この動きに対して、立憲民主党と公明党が新党結成を視野に調整に入ったと、複数のメディアが報じています。衆院解散・総選挙が迫る中、今後の方向性を確認するとのこと。

 マーケットでは、創価学会の組織票を立憲民主党が欲しいだけではないか?との意見も噴出。立憲民主党議員の中には、立正佼成会(※)からの支援も受けている議員もいて、創価学会と立正佼成会との関係はどうなるのかという報道も出ており、混乱が拡大しています。

(※「立正佼成会」とは、法華経を基盤とした仏教の教えを学び、実践し、伝える仏教団体のこと)

 視点をマーケットに戻すと、この解散総選挙の報道をきっかけにした日経平均の上昇はすさまじく、一気に5万4000円台半ばまで駆け上がっています。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 米ドル/円も節目の158.00円をブレイクし、一時159.45円まで上昇していますが、日経平均と比較すると上昇スピードは緩慢で、上昇幅も限定的。その理由は介入警戒感が拡大しているためです。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

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米ドル/円の介入に要警戒! 片山さつき財務相あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」発言は介入への最終警告(レッドゾーン)

 この円安に対して、当局から矢継ぎ早に牽制コメントが出ていますが、極めて重要なのが1月12日(月)の日米財務相会談です。

米国側(ベッセント米財務長官)と「認識を共有した」と明言したことは、「日本が単独介入しても米国は反対しない(あるいは容認する)」という了解を事前に取り付けたことを強く示唆しています。

 そして、1月14日(水)の片山さつき財務大臣の発言は、以前よりも踏み込んだ表現が増えており、介入へのカウントダウンが始まっているようにも見えます。

 1月14日(水)の通貨当局(財務省)のコメントを確認すると、片山さつき財務相は足元で進む円安について「極めて遺憾であって憂慮している」「その見方については日米財務相ともに共有した」「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」と強調。

片山さつき財務相の放った「あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」という言葉は、為替市場の用語で言えば「最終警告(レッドゾーン)」と見られています。

 この表現は、口先介入の段階リストにおいて実弾介入の直前に位置するものであり、「いつ実弾が飛んできてもおかしくない」極めて緊迫した状況と言えます。

 日本の通貨当局が使う言葉には、市場をコントロールするための明確なランク付けがあります。警戒レベルとよく使われるフレーズ、今回の該当状況をまとめると、以下のようになります。


警戒レベル 「よく使われるフレーズ」 今回の該当状況
レベル1 「為替相場の動きを注視している」 監視の開始
レベル2 「緊張感を持って注視している」 警戒の強化
レベル3 「ファンダメンタルズを反映していない」 牽制の具体化
レベル4 「一方的、あるいは急激な動きが見られる」 片山財務相が1月13日(火)に使用
レベル5 「あらゆる手段を排除せず適切な対応を取る」 片山財務相が1月14日(水)に使用、実弾準備完了
レベル6 「断固たる措置をとる」「レートチェック」 スイッチを押す直前


 現在、片山財務相はこの「レベル5」に踏み込んでいます。これは「単なる言葉の牽制」ではなく、「実弾の準備は整っており、あとはタイミングだけ」という宣言と想定しています。

 三村淳財務官も最近の為替について「経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」と指摘。「最もいけないのはボラティリティーだ」「円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」と強調しています。

 あとは介入のタイミングですが、三村淳財務官が指摘されているように、米ドル/円のボラティリティーが上がって、2〜3円急騰する局面か、節目の160.00円を超えてくるようなステージでしょうか。

 どちらにせよ、米国の承認も取り、「あらゆる手段を排除せず適切な対応を取る」とコメントするレベルまで上がっており、いつ介入が出るかわからない局面にある米ドル/円の動向に注目です。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

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