トランプ米大統領はなぜウォーシュ氏をFRB議長に選んだのか?
みなさん、こんにちは。
現在のマーケットは「トランプ米大統領がなぜウォーシュ氏をFRB(米連邦準備制度理事会)議長に選んだのか」という謎を抱えています。
これに関しては、僕が注目しているFT(フィナンシャル・タイムズ)のマーティン・ウルフ(Martin Wolf)の意見が興味深かったのでご紹介します。
では、一体何がトランプ氏を説得したのだろうか?
トランプ氏は「財政支配」そのものの権化であり、ジェイ・パウエル現議長を「役立たず」と罵り、もっと早く金利を下げないことを非難してきた。それなのに、なぜウォーシュ氏を議長に指名したのか?
一つの理由は、トランプ氏がウォーシュ氏のFRBの「woke(目覚めた/リベラルすぎる※)」な越権行為への敵意を気に入っているからかもしれない。
別の理由は、金融規制緩和への傾倒を気に入っているからかもしれない。
さらに別の理由は、彼が比較的正統派の選択であり、その指名が神経質な市場を落ち着かせるはずだから(実際、今のところそうなっている)。
しかし、決定的なポイントは、ウォーシュ氏が都合よく「テクノロジーによる生産性向上のおかげで、もはやインフレは脅威ではない」と結論づけたことに違いない。これは正しいかもしれない。ウォーシュ氏が指摘するように、アラン・グリーンスパン議長も1990年代にインターネットの影響について同様の賭けをした。
(出所:FT)
(※「woke」とは、「社会的な差別や不平等に目覚めている」というポジティブな意味だが、最近のトランプ氏ら保守派の間では「行き過ぎたリベラル思想」を皮肉る言葉として使われている)
この中ではまず下記の部分が重要でしょう。
ウォーシュ氏が都合よく「テクノロジーによる生産性向上のおかげで、もはやインフレは脅威ではない」と結論づけたことに違いない。
一時より落ち着いたとは言え、物価の高騰が問題になっている状況で「テクノロジーによる生産性向上のおかげで、もはやインフレは脅威ではない」と結論づけたことは、トランプ氏にとって都合がいいのかもしれません。
ウォーシュ氏の指名が比較的正統派の選択であり、神経質な市場を落ち着かせるという意図もあったようですが、実際、今のところそのようになっています。
この意味において、SaaS企業(※)を除いた日本株高、円安もうなずけます。
(※SaaS(Software as a Service)企業とは、クラウド上でソフトウェアやアプリケーションをインターネット経由で提供する企業のこと)
なお、2月3日(火)の株式市場では、米アンソロピックが法務業務の自動化を目的とする新たなAIツールを発表したことを受けて、AIの進展に事業モデルが脅かされるとみられるSaaS企業の売りが膨らみ、「SaaSの死」論争となっています。
衆議院選挙後の米ドル/円の行方は? 米ドル買いが遅れている事業法人が目立ち、下値は堅そう
今週末に衆議院選挙を控えているため、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は週を超えて大きなリスクを取れません。
ただ、多くの事業法人は依然として米ドルを買い遅れているようです。
事業法人を担当している友人は、米ドル/円が急落する前の155円台にかなり米ドル買い注文が並んでいたと言っていました。また、NY連銀のレートチェックで152円まで急落した局面でも、彼らは断続的に米ドル買いをマーケットに持ち込んだ模様です。
うーん、これでは米ドル/円がなかなか下落しないのもわかります。
それでは仮に、再び159円台に入っても、当局からのコメントも介入もないと判断して米ドル/円を買い進めることができるかというと、コメンテーターの立場からは言えますが、介入リスクを無視して自分の資金を投じることはできません。
結果、選挙まであとわずかですが、米ドル/円は155〜160円の間で神経質に乱高下する感じでしょうか?
一時急騰していた米金利も、トランプ氏が比較的正統派のウォーシュ氏をFRB議長に選んだことで神経質な市場を落ち着かせ、再び日本株高、円安へ(前述の「SaaSの死」論争の行方は気になるところですが)。
衆議院選挙の行方も注目ですが、本邦事業法人の米ドル買いが遅れているようなので、米ドル/円の下落も限定的でしょうか?

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
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