2日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は中東情勢を巡る先行き不透明感からWTI原油先物価格が上昇して全般ドル買いが進んだほか、4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回ったこともあり、4月30日以来となる159.99円まで上昇。ただ、節目の160円に接近した場面では政府・日銀による為替介入への警戒から円買い・ドル売りが入りやすく、上昇のスピードは緩やかだった。ユーロドルは原油相場の持ち直しや米雇用指標の上振れも重しとなって1.1614ドルまで下落後は下げ渋る動きとなった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米・イラン情勢を気にしつつも、欧州序盤に予定されている植田日銀総裁の講演を前に積極的に動きづらい展開となるかもしれない。
まず米・イラン情勢について、週末にトランプ米大統領がヒズボラとイスラエル双方と協議、攻撃停止の確約を取り付けたことを明らかにしたものの、昨日イスラエルは前日に発表された部分停戦に基づきレバノンの首都ベイルートへの攻撃は控えた一方で、レバノン南部への空爆を継続している。このままイスラエルを抑え込むことができないようだと、米・イラン和平協議への期待が一段と遠のきかねず、リスク回避ムードに傾きやすくなる恐れがある。
また、昨日は一部通信社が「ヒズボラはイスラエルとの部分的停戦を拒否」と報じており、今後はイスラエルのみならずヒズボラ側の対応にも注意を払いたい。ヒズボラがイラン革命防衛隊の支援で設立され、その後も関係が継続している点を踏まえると、イラン側からの働きかけがあるかどうかも注視したい。
そのほか引き続き、核関連や凍結資産、ホルムズ海峡に関する取扱などについても注意したい。主だった情報が伝わっていない点を踏まえると、双方の落としどころを見つけるのは容易ではないと推測される。協議前進が伝われば有事のドル買いが巻き戻される展開も予想される。
ドル円相場に関しては、昨日160円目前まで上昇したことで、政府・日銀による円買い介入が否応なく警戒される水準である。関係者の発言に注視すると共に、どの程度の強い口調での発言となるかも注意したい。
そうした中、市場の関心は17時半から予定されている植田日銀総裁の講演に集まっている。前回4月の日銀金融政策決定会合で3名が金利据え置きに反対したことなどから、今月15-16日に控える会合での利上げ観測が高まっている。
ただ、一部では不透明な中東情勢が続いていることや、5月東京都区部消費者物価指数(CPI)が2%を割り込んだだけでなく予想を下回る伸びに留まったことなどから、利上げを見送るとの見方もある。そうした中、今後の金融政策についての言及があれば日銀会合への思惑に直結して神経質な反応を見せることが予想される。それだけに、東京市場は様子見ムードが広がることも考えられる。
他方、豪州では1-3月期国内総生産(GDP)が発表予定。市場予想は前期比が+0.4%と前回からの低下が見込まれ、前年比は前回並みの+2.6%となっている。先月後半に発表された4月の雇用統計や月次CPIがいずれも予想より弱い内容となっており、GDPも予想を下回るようだと、豪ドルに下押し圧力がかかることも考えられる。
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