NYタイムのドル円は、21時30分発表の6月米小売売上高などの指標結果をにらみつつも、上値の重い展開を想定する。昨日までに発表された米インフレ指標の相次ぐ下振れを受けて米利上げの見方が後退しており、今晩の米指標結果がさらにドル売りを促すか、あるいは材料出尽くしとなるかが焦点となる。
また、来週20日に「海の日」を控えるなかの本邦通貨当局による円買い介入への警戒感もくすぶっており、ドル円が162円台で高止まりするなか、投機筋による積極的な上値追いには慎重な局面が続きそうだ。
市場の目先の関心は、今晩の経済指標が米実体経済の底堅さを示すかどうか。6月米小売売上高は前月比0.2%増と5月より伸びが縮小することが予想されており、先行して発表された消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)で見られたインフレ鈍化の流れを裏付ける内容になるかが注目される。
あわせて発表される新規失業保険申請件数など雇用関連指標も含め、米国の景気減速感が意識されれば、米長期金利の低下を伴ってドル円は下値を模索する動きを強めやすい。これまでは高インフレを背景に「追加利上げ」の可能性すら燻っていたものの、足元の雇用鈍化やインフレ緩和によって、そうしたタカ派的な利上げ観測はようやく後退しつつある。今晩の指標結果がそれを裏付けることになれば、ドルの上値はさらに重くなるだろう。
一方、依然として秋以降の追加利上げに対する警戒感はくすぶっており、市場は「いつ追加利上げが行われるか」というタカ派的な目線を完全に捨ててはいない。今晩の指標が強い結果となれば、追加利上げの織り込みが改めて進み始めることも考えられ、目先のショートカバー(ドルの買い戻し)を強力に誘発する可能性もある。
同時に、緊迫化する中東情勢を受けた「有事のドル買い」圧力と、本邦当局による介入警戒の双方向から、神経質な値動きが予想される。イランを巡る戦闘報道や原油高もドル円の下値を支える要因として意識されやすい。
しかし、指標結果を受けて米国の利上げ時期の見極めが進むなかでドル買いの勢いが一服する局面となれば、市場では2024年7月の「海の日の連休前(7月11日・12日)」に実施された突発的な円買い介入の再現が強く警戒されるだろう。来週20日の祝日を控えた週末前の木曜日というタイミングに差し掛かり、162.50円を超える水準にはストップロス買いの観測もあるため、上値を追った局面では当局の防戦への警戒から、急激な下押しもありうる。突発的な変動への警戒も必要だ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、1986年12月22日高値163.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、10日安値161.28円。
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