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  • 2025年12月05日(金)17時05分

    来週のドル・円「ドルは伸び悩みか、日米金利差縮小観測強まる」

    [ドル・円]
     来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月9-10日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ptの追加利下げを決定する公算が大きい。追加利下げはある程度織り込まれているため、2026年に向けた金融当局者の金利見通しで一段の緩和に慎重なら、ドル売りは抑制されるだろう。ただ、米ホワイトハウスはパウエルFRB議長の後任に金融緩和に前向きとされる候補者を送り込む方針で、ドル売りを後押しする手掛かりになろう。他方、日本銀行植田総裁は先日行われた講演で追加利上げに前向きな姿勢を示し、今月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げが決定されるとの見方が広がっている。賃金関連統計が改善すれば利上げ観測となり、円買い圧力が強まる見通し。

     ただ、すでに利上げは織り込みが進み、利上げ決定後にリスク回避的な円買いが一段と強まるとの見方は多くないようだ。また、可能性は低いものの、大方の予想に反して政策金利の据え置きが決まった場合、リスク選好的な円売りが急拡大する可能性がある。日本の財政悪化懸念は払拭されていないことも問題視されており、日銀による追加利上げを受けても米ドル・円は152円台を維持する可能性が高いとみられる。

    【日・10月現金給与総額】(8日発表予定)
     12月8日発表の10月現金給与総額が9月実績(前年比+2.1%)を上回った場合、日本銀行による利上げ期待を後押しする材料になり、円買い要因に。

    【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(9-10日開催予定)
     FRBは12月9-10日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、追加利下げに踏み切る公算。0.25%の政策金利引き下げが織り込まれ、来年の政策方針も緩和に慎重ならドル買い材料となる。

    ・予想レンジ:152円00銭-157円00銭

    ・12月8日-12日発表予定の経済指標予想については以下の通り。

    ○(日)7-9月期国内総生産改定値 8日(月)午前8時50分発表予定
    ・予想: 前期比年率-2.0%
     財務省が発表した7-9月期法人企業統計で金融・保険業を除く全産業の設備投資は前年同期比+2.9%と、やや低い伸びにとどまった。このため、7-9月期国内総生産(GDP)改定値は速報段階(-1.8%)から下方修正となる可能性がある。

    ○(中)11月消費者物価指数 10日(水)午前10時30分発表予定
    ・予想: 前年+0.2%
     参考となる10月実績は前年比+0.2%。インフレ率は中期的にやや上昇する可能性があるものの、国内需要が短期間で拡大する可能性は低いため、中国の物価上昇率は1%未満の状態がしばらく続く見込み。

    ○(加)カナダ中央銀行政策金利発表 10日(水)午後11時45分発表予定
    ・予想: 政策金利の据え置き
     雇用情勢は特に悪化していないこと、インフレ見通しが短期間で大きく変わる可能性は低いことから、カナダ中央銀行は政策金利の据え置きを決定する見込み。中期的なインフレ、成長率見通しが注目されそうだ。。

    ○(米)連邦公開市場委員会(FOMC) 10日(水)日本時間11日午前4時結果判明
    ・ 予想は0.25ptの追加利下げ
     ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は先月、労働市場の軟化を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)は近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示した。インフレは一定水準を維持しているが、雇用情勢のすみやかな改善は期待できないため、12月利下げの可能性はかなり高いとみられる。


    ○その他の主な経済指標の発表予定
    ・8日(月):(中国)11月貿易収支、(日)10月経常収支
    ・11日(木):(豪)11月失業率、(スイス)スイス中銀政策金利
    ・12日(金):(英)10月鉱工業生産、10月商品貿易収支

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