今回は、まずは税制のお話しからしましょう。
平成23年度税制法案の中に、店頭FXについて、分離課税+損益通算の対象にするという内容が盛り込まれました(「衆院議員・今井雅人氏にFX税制一本化の舞台裏を聞く! そこで何があったのか?」を参照)。
カンタンに言えば、店頭FXも「くりっく365」と同じ税制にしましょうというものです。仕組みが同じ商品ですので、税制も同じにすべきというのが本質的な理由です。
ところが、野党が税制法案そのものに反発していたために、全体が進まない状況になっていました。
しかし、ここにきて、所得税の控除に関するもの、法人税にかかわるもの、相続税にかかわるもの、地球温暖化にかかわるものは引き続き協議するものの、それ以外は今国会中に可決するという野党との合意ができそうだとして、民主党内でこの案が承認されました。
これで、よほどのことがない限り、6月末までにこの法案が可決する見通しとなりました。
本当に可決するまでは油断できませんが、まずはホッとしています。みなさん、ご協力ありがとうございました。
■FRBは6月以降も量的緩和策を続けるのか?
さて、為替相場の動向に話を移しましょう。
先週末、6月3日(金)にアメリカの5月分の雇用統計が発表になりました。
失業率は9.1%で4月分の9.0%から悪化し、非農業部門就業者数は前月比5万4000人の増加にとどまり、4月分の23万2000人の増加から大幅に落ち込みました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
アメリカ経済は足元がグラグラしてきています。長期金利(10年もの国債の金利)は相変わらず、3%を切る水準で低迷しています。
こうした状況を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は6月7日(火)の講演で、アメリカ経済は予想していたよりも回復のペースが遅いという見方を示しました。
また、雇用環境については、回復のペースが「frustratingly slow」(いらだつぐらいゆっくり)だと発言しています。
その上で、今のゼロ金利政策を当面維持することが示され、6月末までに6000億ドルの国債買い入れは終了するものの、現在保有している債券については満期が来たら再購入するという方針が確認されました。
つまり、追加の量的緩和策はやらないけれど、今までの量的緩和については継続するということです。
■米ドルの戻り売りの方針を今週も継続!
これで、年内の「出口戦略」の可能性がかなり遠のきました。
少なくとも、ここ数カ月は金利が低迷する公算が濃厚で、そうなると、米ドルの上値はこれからますます重くなってくると思います。
ただ、先週のコラムでもお話しているとおり、市場のポジションがあまりたまっていません。ですから、これまでに見られたような急激な「米ドル安」にはならないと思います(「米国は住宅市場の低迷に加え、景況感も低下傾向に。米ドルは戻り売りスタンスで!」を参照)。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
イメージとしては、緩やかな「米ドル安」方向でバンドを形成し、細かい上下動を繰り返しながら、少しずつ米ドルが下落していくと考えています。
米ドルの戻り売りの方針は、今週も維持しておきたいと思います。
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