このニュースが流れた後、11月1日(火)のユーロ/米ドル、ユーロ/円は急反落。ユーロ/米ドルは1.3609ドルまで、先週の高値から600ポイントも下落しました。
また、ユーロ/円は111.62円の高値から106.49円とこちらも約5円急落しています。
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マーケットが一転してリスクオフに傾いたことから、先週の1.4248ドルが当面のユーロ/米ドルの高値となる可能性が濃厚です。
マーケットは再びギリシャの動向に左右されそうなムードであり、ユーロ/米ドルは1.3500ドル、さらに、1.3250ドルへと反落する可能性が高まってきました。
■7.4兆円もの円売り介入で、米ドル/円は一時79円台へ
一方、リスクオフシナリオの環境下では、通常ならば米ドル/円も下落する傾向にあります。
ところが、10月31日(月)に行われた日本政府・日銀による大規模介入により、現執筆時点でも米ドル/円は78円台を保っています。
先月末、つまり、今週月曜日の10月31日に、日本政府・日銀は今年3度目となる大規模な円売り介入を決行しました。
この日の日本時間早朝のシドニー市場において、米ドル/円は、長らくサポートされていた75.50円のバリアがついに決壊し、史上最安値を再び更新して、一時は75.32円まで円高・米ドル安が進みました。
そして、月末にも関わらず、米ドル/円は75円割れのリスクを抱えたまま、東京市場の取引をスタートしました。
このタイミングで日本政府・日銀は突然、単独介入を決行したのです。76円台はほぼ素通り状態で、一気に79円台まで米ドル/円は急騰しました。
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その後はリスクオフ相場となったため、現時点では78円台前半まで反落していますが、報道によると、今回の当局による円売り介入額は7.4兆円にのぼり、1日の額としては圧倒的に過去最大級のものだったとのことです。
加えて、今回の介入は、前回の8月4日(木)のものとは異なり、欧米主要国からの批判は聞かれません。したがって、主要各国との連携もとれていると推察されます。
■米ドル/円はボトムアウトで、ユーロの下値不安は再燃か
7.4兆円もの資金を一気に市場に投下したことで、当面のところ、米ドル/円の下値不安は解消されたと言えるでしょう。
したがって、当面の米ドル/円は77~80円のレンジで推移すると考えています。
また、当局が再び円売り介入を決行すれば、80円を超える可能性も高いでしょう。
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11月に入った途端に、米大手金融機関の破産法適用の申請やギリシャの「国民投票」といったニュースが伝えられ、ユーロの下値不安が再燃しています。
友人のヘッジファンドのユーロに対する目線も下がっており、ユーロ/米ドルのダウンサイドリスクに備え始めているもようです。
このユーロの動向に大きな影響を与えるのが、11月3日(木)に行われるECB(欧州中央銀行)の理事会です。
この会合はドラギ新総裁の就任後、初めて開催されるものであり、そのコメントに注目です。
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