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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

米ドル/円が160円に急接近、介入に注意しつつ辛抱強く押し目買い。エネルギー産出国通貨かつ避難通貨の米ドルが全面高。ユーロが二重のエネルギーショックで円より下落

2026年03月16日(月)16:05公開 (2026年03月16日(月)16:05更新)
西原宏一&叶内文子

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米ドルがイラン戦争長期化懸念で上昇。エネルギー産出国通貨かつ、避難通貨であることで資金が集まった

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) ​みなさん、こんにちは。

MC叶内 西原さん、先週も中東情勢が悪化するばかりですね。

トレーダー西原 いやああ〜今回のイラン戦争は世界中の誰もがどうなるかわからないという状況。

 毎日のように流れてくる中東絡みのヘッドラインに振り回されがちになるので、神経を使う難しいマーケット。そのため、自分の思い込みでリスクを取るのはご法度ですね。

 それでは叶内さん、さっそく先週(3月9日〜)の株の振り返りからお願いします。

MC叶内 中東情勢や原油価格を見ながらの展開が続いています。

 3月9日(月)、週明け最初の取引となった東京市場で日経平均は急落。朝方にWTI原油先物価格が一時1バレル=120ドルに迫る急上昇をみせたことで、一気にリスクオフの動きとなりました。日経平均の下げ幅は取引時間中に4000円を超え、5万1000円台まで下げる場面がありました。

 同日の米国株は、トランプ米大統領がイランへの軍事攻撃が間もなく終結するとの見方を示したことで持ち直しました。

 しかし、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなど中東情勢は予断を許しません。日経平均は月曜日が週を通しての安値となりましたが、前週末比3.2%安、2週連続下落となりました。2週間で8.5%も下げたことになります。

 米国株は、プライベートクレジット問題も金融株への押し下げ要因になっています。マグニフィセントセブン(※)も週後半売り直され、S&P500は月曜日の安値を割り込んで週を終えました。前週末比1.6%の下落。ナスダック指数は1.3%安で200日移動平均線を割り込みました。

(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)

 為替市場はいかがでしたか。

トレーダー西原 株や為替、そして債券や仮想通貨も含めたすべてのマーケット参加者が注目しているのが原油です。

 その原油は先週、さまざまなヘッドラインが毎日のように報道されたことにより、驚愕の76ドルから120ドルというワイドレンジで方向感なく暴力的に乱高下。この原油の動きの中で株も為替も、そしてすべての金融商品も乱高下しました。

 その中で、唯一底堅く推移した資産が米ドルです。先週の主要通貨の対米ドル騰落率を見てみましょう。

先週の主要通貨の対米ドル騰落率

 米ドルはすべての主要通貨に対して値を上げています。

 イラン戦争勃発当初は、エネルギー産出国通貨が値を上げていました。原油産出国のカナダドルや、LNG(液化天然ガス)の豪ドル、加えていまやエネルギーの産出国である米ドルと続いています。

 そんな中、カナダドルや豪ドルといったエネルギー産出国通貨が、米ドルを上回っていました。

 しかし、先週もホルムズ海峡の事実上閉鎖が続いていることから、戦争長期化懸念が高まると、「エネルギー産出国通貨であり、かつ避難通貨である」米ドルだけに資金が集まり始めました。

 そして、エネルギーに弱い円は売られ続け、米ドル/円は160円に迫ってきました。加えて、ユーロが円以上に値を下げています。この点に関しては展望で触れますね。

 それでは叶内さん、今週(3月16日~)のイベントと株の注目点をお願いします。

SNBはスイスフランの急騰を抑えるだけの介入に終始。とはいえ、ロングにする通貨は米ドルが選択され、米ドル全面高に

MC叶内 引き続き、中東情勢・原油価格次第で相場は居所を変えそうで、当分ボラティリティは高止まりしそうです。

今週は中銀ウィークです。金融政策決定会合はFOMC(米連邦公開市場委員会)が3月17日(火)~18日(水)、日銀が3月18日(水)~19日(木)、ECB(欧州中央銀行)が3月18日(水)~19日(木)、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])が3月19日(木)です。

 日米とも据え置きの見通しですが、中東情勢とインフレをどう見ているのかが気になります。株式市場では日銀の追加利上げの時期、米国の年内利下げ回数に関して見方が分かれています。

株式市場で注目されているのは、3月16日(月)から開かれるエヌビディアの開発者イベント「GTC2026」です。3月16日(月)のジェンスン・フアンCEOの基調講演が最大の焦点で、今年(2026年)は「AIインフラの次の段階」を示す発表になる可能性が高いとも報じられていました。AI需要はまだ強いのか、AI投資はまだ続くのか、次の市場はどこなのか、かたずをのんで見守っています。

 また、3月18日(水)にはマイクロン・テクノロジーが決算発表を予定しています。

 国内の経済指標では、3月18日(水)に2月貿易収支、3月19日(木)に1月機械受注が発表されます。

 中国で3月16日(月)に発表される2月鉱工業生産と小売売上高、3月20日(金)発表の3月最優遇貸出金利も注目です。

 米国では、3月16日(月)に2月鉱工業生産、3月17日(火)に2月コンファレンスボード景気先行指数、3月18日(水)に2月PPI(卸売物価指数)、3月19日(木)に1月新築住宅販売件数が発表になりますが、イラン戦争前の数字として市場は気にしないかもしれません。

 為替市場の見通しはいかがですか?

トレーダー西原 ここで、イラン戦争勃発後の各通貨の流れを次のようにシンプルにまとめました。


●強くなる通貨とその理由
(1)米ドル:原油は米ドル建て取引。地政学的リスク時のセーフヘイブン需要
(2)カナダドル:主要産油国通貨。中東供給途絶でカナダ産原油の代替需要が急増。輸出収入拡大
(3)スイスフラン:地政学的リスク時の伝統的安全資産。リスク回避フローが集中しやすい。SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])のスイスフラン売り介入に注意。

●弱くなる通貨とその理由
(1)円:石油を100%輸入依存。原油高→輸入コスト増→貿易赤字拡大→円安圧力。日経平均急落も重なり円売りに。日銀の円買い介入に警戒
(2)ユーロ:欧州はエネルギー高騰が続けばリセッションの瀬戸際に追い込まれるリスク


 おおよそ、このような流れで主要通貨は動いています。

 唯一違うのはスイスフランです。こちらは懸念したとおり、「SNBがユーロ/スイスフランの0.9000スイスフランレベルでスイスフラン売り介入を実施したようだ」とスイスのローカルバンクがレポートし、介入が実施された模様。

 しかし、今回の介入は単なるスムージングオペレーションのようです。 SNBといえば、米ドル/円がたとえば107円で動いている時、120円で米ドル買いを無制限で行うような信じられない暴力的な介入をすることで有名です。

 ただ、今回に関しては米国に配慮して、スイスフランの急騰をおさえるだけの介入に終始しているようです。

 結果、ロングにする通貨は米ドルが選択され、米ドルが全面高となっています。

ユーロ/米ドルは「二重のエネルギーショック」を背景に戻り売り。米ドル/円は介入に注意しながら辛抱強く押し目買い

 それでは、米ドルロングにする対象通貨としてまず、米ドル/円を考えてみましょう。

 米ドル/円ロングでの懸念はスイスフラン同様、日銀の米ドル売り・円買い介入です。ただ、SNBの介入がスムージングオペレーションで終わっているため、日銀もスムージングオペレーションに終わる公算が高まっており、円安を止めるのは難しそう。ただ、円安の加速を抑制することはできます。

 そんな中、円以上に軟調に推移しているのがユーロです。

 エネルギー自給率が低い国の通貨「日本円」がもっとも弱くなるのがセオリーに思えますが、現実にはユーロやスウェーデンクローナなど欧州通貨が著しく売られているのはなぜか?

 現在の相場において、欧州通貨が独歩安となっている主な要因は欧州特有の「二重のエネルギーショック」があげられています。

 日本は中東原油への依存度が90%を超えていますが、長年の構造として織り込まれています。

 一方、欧州はロシア・ウクライナ戦争によりロシア産エネルギーを遮断され、その代替として中東からのLNGや原油への依存度を急激に高めていました。

 そのため、今回のイラン戦争による供給不安は、欧州にとって「ロシアに続く2度目の致命的なエネルギーライン喪失リスク」となり、衝撃度が日本よりもはるかに大きいようです。

 加えてポジションの巻き返しも大きい。イラン戦争勃発前、市場では「ユーロ買い」のポジションにマーケットは大きく傾いていました。

 有事のリスクオフが発生したことで、積み上がっていたユーロ買いポジションが強烈に決済(売り戻し)され、下落に拍車をかけています。

 この2点から現在、日本円以上にユーロが注目されています。

 もちろん、イラン紛争が早期解決するようなことがあれば、米ドル/円、ユーロ/米ドルとも米ドルは反落します。

 しかし本稿執筆時点で、イラン戦争は長期化する公算が高まっています。これは、地政学的リスクは時間とともに解決すると想定していた、マーケット参加者に懸念を抱かせるものです。

 まず「二重のエネルギーショック」に直面している欧州を背景に、ユーロ/米ドルの戻り売り

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView(トレーディングビュー))

米ドル/円は160円に急接近し、介入に注意しながら辛抱強く押し目を待っての買いでしょうか?

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

トレーダー西原MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレードを楽しんでいきましょう!


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